ナショナリズムって? 先に総轄

 その動機は問わない。何らかの思いを持ってとにかくこの場に参加するため集まった日本人は、まず普段お目にかかることのない異常と言える光景を目の当たりにし、今後の人生に大きな影響、或いは影を落とすかもしれない、まず得難い経験をしたと思う。異常な光景の中で一際印象に残る光景、それはやはり聖火を追って次々と現れる中国人達の姿、彼らが持つ赤い国旗で徐々に赤一色に染まっていく日本国の長野県の長野市内の往来、自国の往来を徹底的に不作法に節操なく埋め尽くしていく外国の旗。しかもその国は我が国に危害を加えることを是とする教育を施している国。これの光景を前にして、純粋にチベットを応援することを目的に来た人々も、一瞬以上の恐怖を感じたはずである。その恐怖こそがナショナリズムの萌芽といって良い。今日、この日に何人の日本人が、実際に自分の内にあるナショナリズムという感情を初めて感じたであろうか。中国という国が聖火リレーという行為にどの程度の邪な意味づけを狙っているのかよくわからないが、その中に自国の威を他国に見せつけるという意味が含まれているなら、こと長野に於いてはその戦略は明らかに失敗している。
 さて、心の底奥深くに封印されていた我々のナショナリズムを呼び起こしてくれた「大恩人」である「恐らくは国家の指令によって動員された日本在住の中国人留学生」君達。はっきり言って君らが何を考えてこんな示威行動を行っているのか解らない。純粋に北京五輪を成功させたいがためなのか、国家(共産党)のエリート候補として国費で留学している手前国家の命令を盲目的に聞くことしかできない哀れなロボットなのか、或いは本当に中華思想などというバカげた妄想が脳幹の中心にまでこびりついているのか。確かに狂った指導者達のおかげで第二次大戦の戦勝国にもかかわらず、今に至るまでその半分以上の年数を同士殺し(※当然チベットウイグル内モンゴル等による占領地での虐殺は入りません)に費やしてきたという苦難を背負った連中が、五輪開催国という栄誉を得ることでやっと名実ともに世界の一流国に仲間入りした。その栄誉が世界中でケチ付けられている。腹立つ気持ちはわからンでもないが、「何故ケチ付けられているか」それこそケチ付けている各国が切に望んでいる、自らによる原因究明という姿勢に対して完全に思考停止して、代わって行うのが、これもとても個々が考えているとは言い難い今回長野で見せたような行動。知性・理性を行動への強い動機とする人間にとって、それによる説明が不可能な行動をするモノほど不気味で恐ろしい存在はない。
 思考停止していることにかけては我が国も負けちゃいない。そもそも上が腐っているのは下が何も考えていないからに他ならない。一度芽生えたナショナリズムの芽がどのように成長するか、浅学ながらも歴史を紐解き多少の理解はしているつもりだ。我が国の状況と、長野で見た状況。この結果自らに生まれたのが「ナショナリズム」しかないというのは、ちょっと悲しすぎる。とりあえず今言えること、「ナショナリズムって気持ち悪い」。