2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

応挙萌え、或いは二幽描応挙

何でも「萌え」つければいいってモンじゃないぞ。 さて、ここは上野、東京芸術大学美術館。ミュージアムショップに接するレストランが本当に値段までレストランなもんだから、みんなそのまま素通りした挙げ句、一階にある学生食堂で食事をするもんだから、い…

花の折檻

これは拷問だろう。狭い、本当に狭い書院に一人座らせられる。壁と襖、見渡す限り等間隔に並んだ草花。 「我関せず。ただ黙して座しているがよい。他におまえのできることはこの草花を眺めるだけだ。」眺めるだけではつまらない、せめてその数を数えよう。数…

『カート・コバーン アバウト・ア・サン』

動く彼の姿は一切出てこない。が、インタビューを通じて浮かび上がってくるのはまさしく「真実」の彼の姿。或いは月並みに「素顔の」とでも言おうか。 作中全く気取ったところなく、淡々とインタビューに答えるカートの姿に、伝説的ロックスターの印象はない…

笠森寺

「岩に巌を重ね〜」とは、出羽の国、険しい奥羽山地を背に偉容を讃えるかの山寺の荘厳な様子を讃えた有名な文言であるが、緩やかな上総の山中、全く別の形で「異様」を讃える笠森寺観音堂には、さしずめ「岩に木立を重ねて〜」との文言が添えられようか。 こ…

『乗り物・おみやげでたずねる昭和30-40年代の旅 ーよみがえる旅のキオクー』於横浜市立歴史博物館

鉄好き? だったらおいでなさい。 まずは、これだけの資料、よくぞ残して置いてくれたモノだ。展示されている資料の殆どが個人から借与された「思い出の品」。修学旅行のガイドブック・予定表から始まり、使い終わり、思い出の地にちなんだ院の押された各種…

『AYAKASHI 江戸の怪し−浮世絵の妖怪・幽霊・妖術師たち−』於太田記念美術館

いつ観ても芳年は良い。 芳年に限らず、展示されている物の怪達の、喜々として江戸の町を闊歩する様、その馬鹿馬鹿しいほど賑やかなこと。恐ろしさと、怪しさとを裏返し。

『マーティン・パー写真展』於東京都立写真美術館

ここで、もう一度騙されてみよう。 騙されたことに気付かぬうちが心地よい。 もう一つ、どうやら私は悪趣味らしい。そのことに気付くまでは。

『昭和 写真の1945〜1989 第2部 ヒーロー・ヒロインの時代』於東京都立写真美術館

「ヒーロー・ヒロイン」=絶滅危惧種。私にとっては既に絶滅種。 初めは、東京国立博物館の古生物化石を観に行くのと似た気持ちで。後に、その「絶滅種」の発する圧倒的生命力、と言おうか、その存在感に初めて触れる。「ああ、これこそまさに本物のヒーロー…

焼き鳥

所謂首都圏とその近郊にあり、一串100円以下で買える焼き鳥の値段を「貴重」と、それだけでリピーターとなる可能性を示した際、北海道出身の友人より、至極普通に「地元では当然」との反応を得、改めて、自分の生まれ育った場所が「消費圏」に属すること…

廃線萌え

バスに乗車し、そのまま目的地の三保まで行かずに途中で降りたことには当然訳がある。清水の市街地が途切れた当たりから、旧清水港線の路線跡がそのままサイクリングロードとして残っているという。清水港線とは・・・面倒くさいから略。興味あることは自分…

清水駅から

今回の旅行、綿密な計画は殆ど立てていないに等しく、「だいたいの場所」「乗り替え」を多少注意したに過ぎない。綿密な計画を立てても守れる自信はない。単独行動時、迷惑をかける相手もいないため、気楽に、帰れれば良いとする。 清水に着いたのは9時少し…

清水行き

朝、5時台の各駅停車に乗って東京を出る。沼津行きの同じ車両には、今日の現場が静岡という労務者の一群が乗り合わせ、朝から酒は飲まないまでも、各々申し訳程度の朝食を取りながら、仲間同士で話していたのはずっとギャンブルの話題。「競馬」「競輪」「…

無為

生きるために動くこと・・・所謂「当たり前のこと」、飯喰って、糞して、その準備のために家事をする。 生きるために必要な一連の動作が、これほどまでに体力を消耗することなのか知らなかった。動けば動いた分くたくたになって、なるべく余計なことはしない…

『安彦良和原画展』於川崎市民ミュージアム

終戦記念日に、川崎まで。何も・・・。 別に、何ら思想的恣意を持って、素晴らしい原画の数々を歪めて観賞するつもりはなく、むしろあまり考えずに半ばぼ〜っとしながら回る。と言っても先生の作品は『機動戦士ガンダム(ファースト)』『THE ORIGIN』『ヴィナ…

『童貞ペンギン』

マジメでタメになるドキュメンタリーの間にお馬鹿映画。シネコンでやってるような映画は頼んでもいないのに見に来る人はたくさんいるが、こういうホントにお馬鹿な映画は頼んでもなかなか見に来る人のいないもの。折りあるごとに訴えているのでもういい加減…

『怪談』

平日の昼間、よりにもよって何故ホラーをというと、それほどまでにヒマしてるということです。 それでは映画について。 原作は三遊亭圓朝『真景累ヶ淵』。もう初めに言ってしまいますが、原作をよく知っている人は観ない方がよいです。はっきり言って原作に…

選挙、投票時思ったこと

本日、地元議会選挙の投票日。税金も払ってることだし、ヒマでもあるし、2週連続の投票。首長が絶大な権力を持った地方行政、議会にそんなに期待するものなどないのだが、一度実家の母親がさる組合の不条理な壁に遮られた時、便宜を図ってもらった特定の議…

何となくイー・モバイル体験記 その2

本日解約。アクセスポイント確保のために家の中、道路、その他あちこちと毎度毎度ドタバタとやってられません。とりあえず実家周辺は「サービスエリアであるが通じない」ということを確認。それで、あなたの役割終わり。もう少し大きく成長してから再び会お…

『ルドンの黒〜眼を閉じると見えてくる異形の友人達〜』於Bunkamura ザ・ミュージアム

ミュージアムでの観賞、これほどまでに体力を消耗すること、忘れてました。大概観ている内に疲れてくる。立っているのも辛くなる。おあつらえ向きに置いてあるイス(ソファーならなお)に腰掛ける。そのまま寝る。起きて観賞再開。常に冴えてて良い。欠点は連…

『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』

映画の日の時間合わせに、何となく観た映画。 「そんなにおもしろいもんでもありませんでした」という感想は、気付かぬ内に、未だ自分の中に燻る「何か特別なモノがある」との自惚れをもってして、不愉快にさせる為か。 特別の才能を持った人から見ると、世…

『100万ドルのホームランボール』

最近(?)渋谷「ライズX」で観たドキュメンタリー映画、『ダーウィンの悪夢』『エンロン』そして本作。いずれも途方もない人間の「欲」を扱った内容。『ダーウィン〜』はより豊かにありたいという「先を行く人」達の、無意識にして悪意のない途方もない大き…