エクストリーム・聖火リレーを見に行くを見に行く 4

 合流した集団は、中国のチベット政策にに対して異を唱える地方議員達を中心に、この場で知り合った個々の人々を吸収しながらエクストリーム・聖火リレーに向かって進んでいるらしい。その数約30人。その思想的背景はよくわからない。が、一応の情報と統率力を持つ彼等と行動を共にすることは我々にとっても利益にはなりそう。
 長野駅方面に向かって南下。即ち今来た道を引き返す。これだけの人数がデモできるどこか適当な場所を見つけるつもりらしい。今来た道を引き返すということは、当然先程我々を散々威嚇した集団と再び行き会うことになる。今度は一応の人数での行進であるが、それでも全体の数としては圧倒的に少数。何度も言うが「ここが日本国」であるにも関わらず。それでも我々は負けません。この集団と行動を共にして初めて相手方の集団と行き会ったとき、パラパラと体中に水しぶきを浴びる。「事前の情報にあった連中が用意した『対カメラ用水兵器』か?」と再び緊張するが、単に再び降り出した雨だった様子。降ったり止んだり、降るとなるとかなり激しく、これほど野外の行動に適さない日はない。少なくとも、この長野の惨状、天は祝福していない。どんなに大規模な集団に行き合おうと「FREE TIBET!」の声が掻き消されることのない、と言いたいところだがこれだけの人数差、実際はどうだったか。この集団、一応は非暴力を是として指針としているらしく、行く先々「Free Tibet!」「One China!」の激しい応酬
はあったものの、暴力の衝突とはならず、比較的速やかに移動することはできた。しかし行進の隊列はとても整然とは言い難く、バラバラ一部途切れ途切れに進行「FREE TIBET!」の掛け声。奴らが本気なら簡単にこの隙に入り込まれ個々分断・孤立して簡単に全滅する。一方「One China!」側の整然さときたら、隊列はまず乱れない。全体主義国の教育が体の隅にまで行き渡っているせいか、或いは行動を律する指揮者が存在するせいか。これには妙に感心。一方で不気味(=恐怖)。
 当初、集団は権堂駅先の商店街入り口で聖火を待つべく待機の指示がでたが、よくわからないが具合が悪かったらしく行進を再開して新たな場所を探す。この頃になると沿道に警護の警察官が少しずつ増えてくる。何者も車道にでることのないようロープを張り始める。聖火が国家権力に守られる。今更ながら、平和の祭典の欺瞞がありありと伝わる。警察と言えばだいたい、こんな惨状になるまで公安は何やっていたんだよ。ロフトプラスワンの政治イベントに人員貼り付けるほど「ヒマでござい」をアピールしていたくせに、今日このこんなん日を迎えるまで連中放置。どーなんてんだよ、税金の使い道。
 市役所駅の交差点辺りで集団は再び停止。ここらは赤い旗もあまりなく、交差点のため見通しも良い。雪山獅子旗をはためかせて我々の主張「Free Tibet」をアピールするに適している。実のところ、私は状況(聖火の通過状況と集団の行動)を余りよく把握していなかったのであるが、この場所に警官・一般人と少しずつ集まってくる様子から「恐らくこれから聖火が来る」ことを何となく理解。ならばこの場所、やがては黒山の人集りになること自明の理、それではとこの場所で考え得る一番往来を望める場所を陣取ることに。陣取りは成功したモノの、真似をして次から次へと同じ場所に、なかにはカメラ持ったプロと思われるカメラマンまでもこの狭い場所に。足元に注意しながら頭上高く雪山獅子旗を掲げ、ようやっと来るであろう目的に向けて、「Free Tibet!」の声を今までにも増して張り上げる。聖火通過までもうまもなく。