その七十一 桜川市青木『阿弥陀堂』

sans-tetes2008-07-31

 縁もゆかりもない土地をふらふらと彷徨っていて見つけたお堂。確かこの地にある「大國玉神社」という「玉」の時が気になる神社を探して桜川市内旧大和村をふらふら彷徨っていて、と言っても地図を持たなかったので本当にふらふら彷徨うことになって偶然このお堂の前に辿り着く。
 緩やかに丘を形成する傾斜の途中にお墓と地蔵が目印。これを目印にするのはあんまり言い趣味じゃないのだが。お地蔵さんでも写真に撮ろうかと近づいた墓地の片隅、小さく煤けたお堂が一つ、これだけで何かを感じるに十分の佇まい。手入れはされているが大分くたびれたお堂、そのお堂の見かけを裏切るような阿弥陀像が一体、左右に体の一部が欠けた脇侍(?)を従え静かに佇む。一部彩色が残っていてああキレイ。阿弥陀様はやはり美男。
 本当に、なにも考えずに彷徨った場所でこのように美しい仏と出会うことに、月並みながらも「御加護」を感じすにはいられない。けど私はたいそうな望みは抱きません。ここであなたにお会いできたこの上ない僥倖、ついでに千社札の禁止されてないお堂、それだけあれば十分です。