『昼顔』

 カトリーヌ・ドヌーブを観るということは、この映画を観る主目的に違いないのだけど、そのせいなのか、観る度に彼女の登場するお気に入りのシーンが違ってくる。
 今回の場合、「牛小屋に縛り付けられた白いドレスを着た彼女が夫とその友人に次々に泥を投げつけられ、みるみる間に泥だらけになっていく(夢の)」シーン。ちなみに、初めて観た時は、「謎の東洋人に開発された後、うつぶせの彼女が首だけもたげながら呟く『最高だった・・・』」のシーン。確かその次は、「彼女が娼婦を辞めるとき、お別れと感謝と謝意と誤魔化しの意を込めて娼館の女主(ジュヌヴィエーヴ・パージュ)にしようとしたキスを、彼女が目と顔を背けて拒否する」シーン。久しぶりに観たその次は冒頭の「赤いコートを着たドヌーブが森の中を御者に引きずられる(夢の)」シーン。
 ・・・訂正、「観る度に彼女の登場するお気に入りのシーンが歪んでいく」。ああ、早く『シェルブールの雨傘』が観たい。