いざこととわむすみだ河
京には見えぬたふなれば、みな人、見しらず。わたしもりにといければ、これなんたふきやうすかいつりい、といふをききて
まだこれしか建ってねえじゃん
とよめりければ、ふねこぞりてなきにけり
と言うわけで、まだまだ見た目は土台程度しか完成していない東京スカイツリーに近づいて写真とか撮ってきました。ふねではないけど。なきてもいねぇし。
本日、ちょっと曇ったからといってうっかり出てきてしまったネコがあわてて日陰に隠れてしまう本当にクソ暑い天候の中でした。
同じように、こちらは力尽きた人形、あわれにおもひつつふとうしろをふりむかむ、と
建設中の「塔」。まだこれだけ出来てないのに、高さ既に周りを圧倒。「バベルの塔」などと陳腐な例えは避けようと思って何かよい例えを考えて、形が「メイドゥームの崩壊ピラミッド」に似ていることに気が付く。アノ芯だけ残ったアレです。「建設途中のピラミッド」の例えから聖帝十字陵も連想。誰よりも愛深き故に・・・。当然本日は休日なので作業は休み、「強制労働させられる子供達」といふイメージの喚起を妨げるゼネコンの作業員はいませんでした。あと数年は仕事にありつけるわけですからホント羨ましい限りです。
塔のすぐ下に東武伊勢崎線の線路。
線路の上を覆う鉄板は不慮の落下物、そして万一の崩壊に備えたモノでしょう。まだ塔が建設途中なので近づくとこの鉄板のデカさの方が迫力。
最寄りの駅は東武線業平橋駅。そうです、冒頭のベタなフリはやっと繋がりますああよかった。そう言やここら一体は東武鉄道関連施設ばっかりだった。
かの有名な東武橋です。
東武橋袂から見る塔。左に切れているのは東武鉄道本社。はっきり言ってキタナイ。
東武橋を渡って北十間川を挟む。江戸期の堀割のお陰でこちら側からの塔の眺めは最高です。
角度つけずに真正面(?)。凱旋門みたいで素敵です。日差しが強いのですが風がびゅうびゅう吹いて塔を覆う網が草原の如く波立ちます。
このままでは雲を掻き分け天に届くこと必定。
先程も書きましたが今のところ北十間川沿いの通りに沿って眺めるのが全容がわかる一番の眺め方です。このクソ暑い中我々だけでなく多くカメラを持った物好きがウロウロと歩き回っております。この道沿いには川の対面にずっと住宅地が並び、その中に集合住宅もいくつかあるので川側を向いた非常階段を登って地面とは別の高さから撮影を、という不届き者を牽制するためその全てに管理者による立入禁止の張り紙。カメラもって住宅地をウロウロするとただでさえ警戒されるのだからとにかくマナーには気をつけましょう。
川側の道から一つ奥にはいると飲み屋とかが並んだ細道に。休日ということもあり人通りは皆無。夜のお仕事なので日中も人通りは少なそう。今のところ対面の塔に対してせっかくだから何かカネにならないか、或いは反対の表明とか、少なくとも隣人に果てしなく巨大な商業施設が出現するということに対して何らかのアクションを起こそうとかいう意思は感じられませんでした。
「京成橋」。「東武橋」から東へ一つ目の橋です。よく判りませんが両者、宇治橋と一条戻橋くらい仲が悪そうです。
京成橋から。
橋を越えると押上地区に入ります。
押上駅から。
工事中のフェンスが無粋です。
押上をぐるっと回ってきて、東武線の電車区のお陰でこちら側からは比較的見やすくあります。電線がビンビン張り巡らされた空に向かって伸びるようで、この機械的物騒さこそ東京の醍醐味です。
おじいさんも見とれてる。この場所の欠点は東武の通過列車が異常に多いということです。
周囲ほぼ一周ということで、本日の塔観察は終了。この後、東武亀戸線に沿って迷路のように入り組んだ押上・曳舟・京島の路地を歩いて熱中症寸前に耐えながら亀戸まで。
いつとっても落ち着くなぁ。それにしても、東京スカイタワーが完成すると当然だが景色一変。墨田・江東のただでさええらいこっちゃな風景が本当にワケわからなくなるわけで、それはそれで楽しみなのですがとばっちり受けてここらの迷路みたいな区割りが消滅してしまわないように、というようなことを地元の神社にお願いしようとしたらあんまりバカみたいに暑かったので忘れてしまいました。
こんな暑い日に同行いただいたhigmaさま、ありがとうございました。