鴨川鉱山を探して歩き回るその2

 その1→http://d.hatena.ne.jp/sans-tetes/20091227#p1

 93歳老婆でさえ直接は知らないという鴨川鉱山。採掘されていたのはニッケルとのこと。この鉱山がある一帯、房総半島南部に広がる房総丘陵を生成する一角に辺り、ここ鴨川市から東京湾鋸南町に抜ける山地一帯を「嶺岡山系」といい千葉県最高峰の「嶺岡愛宕山」を含む県内最高峰の山地とのこと。この一帯に分布する地層より鴨川鉱山のニッケルは産出していたとのことで、老婆の「嶺岡山の方に鉱山があったらしい」との言とも合致する。ただしこの「嶺岡山」と云う言葉、この丘陵地帯一帯を差す場合もあれば千葉県最高峰の「嶺岡愛宕山」を差す場合もあり、いまいちはっきりしない言葉とのこと。探索の時点で「嶺岡山」がここら一帯を表す言葉であることは判っていたモノの、具体的にどこを差す言葉なのかの知識はなく、この老婆の言う「嶺岡山」はこの鴨川〜太海間に広がる鴨川市の裏山一帯くらいにしか思わず、老婆の勧める嶺岡山に連なり鴨川一帯を見通すことが出来る展望台「魚見塚」に登ってみることに。ちなみに千葉県最高峰の「嶺岡愛宕山」、全都道府県の最高峰の中で一番標高が低いそうな。こーいう所こそ千葉クオリティーの真骨頂。さて。

 写真は貝渚地区の住宅の隙間にあったコンクリート製謎の構造物。鉱山に関して全く予備知識無いまま彷徨っているので時々現れる用途不明の構造物は全て「鉱山関係?」と思い込み往生。

 道順は再度太海駅方面へ。冒頭の「八岡山隧道」を潜らずにその途中で隧道がくり貫く「八岡山」の脇を抜けて更に山の方へ抜けていく。いくつかの証言から「八岡山」は十数年前まで採石をしていたことは確実のようです。

 「八岡山」を山側から。山側一帯殆どが今も採石業者の敷地内らしい。ここから先、山の方に向かって緩やかな坂が続き、その坂に沿って住宅地、それも標高が上がってくるにつれて住宅の様相も別荘地のような様相になっていきます。

 そんなお家の一つの庭で寝ている番犬の用をあまり足しそうにないいぬ。そう言えば今回全然ねこに会っとらん。

 更に登って、住宅地も途切れ途切れになって遠く海岸が見えるように。左側が「八岡山」、右側の山はアレにちなんで「ちんちん山」と呼ばれているそうです。千葉クオリティー

 別荘地として開けてはいますが、元々は山の中、海岸線はますます離れて、

 で登場、ヤギ。これだけネコを避けるように他の動物が登場するのも珍しい。ヤギは人を警戒せずとにかくひたすら草喰ってる。もふもふもふ・・・・。

 鉱山探しというワケで地面ばかりに目が行きがち。これはいかんと時々空を見上げるとそこはやはり住宅地、張り巡らされた電線。電線に留まるはカラスかハトが相場だがここらの場合産地の入口だけあって電線にはほぼトンビ。
 トビの、猛禽のクセに全然プライドがなさそうな所が好き。ただ結構警戒心強いので列を為して電線に留まるトビを撮るのは意外と難しい。

 地面のヤギ、空のトンビ。このゾーン既に道は細く、山道の面影も。そのまま進むと一応の目的地、「魚見台展望台」へ。

 私はよく知らないんですけど、こーいう「鍵」の風習は各地の展望台お約束の風習なのでしょうか? これも単なる千葉クオリティの一環なのでしょうか? 願いが叶うと鍵は外していかなければならないのでは? これが所謂「タビのカギはハメ捨て」と言うヤツでしょう。

 展望台に建てられた地元出身作家によるオブジェ。各地行政満遍なく財政難の折、こーいう行政がうっかり建てちゃった系の構造物はその後のメンテナンスがほったらかしになりそうで怖い。このオブジェはまだしっかりしていますが、展望台屋上に至る階段等はボロボロ崩れて、そろそろ化が得なければイケナイと思いますがどうか? 地元の錠前屋からカネ徴収すればいいのに。

 展望台からの眺め、鴨川市街方面。推薦者の言うとおり周囲一遍の眺めはこの場所が最高。
  こちらが鉱山があったのでは? と思われる鴨川松島・貝渚・太海方面と

 こちらは確実に鉱山があったと思われる嶺岡山地方面。
 当たり前のことですがどちらも周囲を覆う緑、もしくは住宅地化により上の方から鉱山がありそうな痕跡など判ろうハズはなく。日も暮れかけて尚更です。何のためにここに来たんだっけ? 仕方がないので展望台はおります。

 まだ喰ってやがる・・・。

 この周囲は別荘が主の住宅が並んでいるのですが、住宅の間にまだ区画、整備のされていない荒れ地がそこここに残り、或いはこのいずれかに痕跡が残るかとも思いましたが、確たる証拠もなく私有地に立ち入るのもさすがに。

 なんも得るモノ無く、もう戻ろうと、ただそこは私のこと、元来たルートと同じルートで戻るのは癪なので分かれ道を別の方向に行くと、現れたのは給水槽。周囲に水を供給するためのただの水道施設ですが。

 施設内に半分埋もれた状態で放置されている岩、これって蛇紋岩じゃね?

 周囲に岩はこれだけ。一応給水槽に登って辺りを見回しましたが変わった所と言えばファンタオレンジの古びんが放置されてるくらい。瓶の内側に施されたオレンジ色の着色が劣化してガビガビ剥がれています。と言うか昔はその部分が直接触れている飲料を飲んでいたのかと背筋が凍る。

 こういう構造物に関しての知識は全く無いので既に妄想の範疇になってしまうのですが、かつて採掘していた坑口跡の敷地を利用して給水槽を作るということはないのでしょうか? ここまで何痕跡も見つからないとそんな妄想をせずにはいられません。道はこのまま急激な坂となり転がるように下界へ通じる。

 その途中に公園。この敷地は伝統的に「嶺岡牧」と呼ばれる牧場があり、戦国時代はこの場所を巡っての争奪戦の舞台にもなったとのこと。更に遡れば源頼朝に関連する言い伝えも残され、由緒正しい場所とも言えそうです。石橋山で敗れたリベンジを誓った頼朝にあやかってあまりに実りの少ない今回の探索行のツキを変えようと少し公園を歩き回ると。

 なんか面白そうな謎の乗り物? が登場。 

 辺りに人気全く無し。

 初めはただの長大な滑り台かと思ったのですが、どうもちゃんとし(ているかどうかは少し疑問でしたが)た乗り物に乗って下まで滑り降りる仕組みのようです。

 辺りの人気の無さからてっきり閉鎖状態と思っていたのですが、私が辺りでうろうろしていると事務所と思しき建物からおじさんが一人すごく面倒くさそうに登場。「乗るの?」。そう言うやる気のない挑戦的な口調で言われれば乗らないワケにはいかないじゃないですか。「乗る」「乗る?」「乗る」「乗る?」同じことを何度も言わすな! 野郎が一人で乗るのがそんなに珍しいか!
 よく見ると事務所横に発券機に電気が灯っています。一回200円也。切符を買って

 あれを専用道にセット

 そのまま下までブレーキ操作でカーブを楽しみながら滑り降りていきます。ところで大分スピードが出た場所に設置された第一カーブで初めてのブレーキ「テスト」を行う仕組み。効かなかったらどうするの? シンナーで脳のタナが痛んでる千葉の不良がこの「スーパースライダー」を知ったら黙っていないだろうなどと思いながら

 あっという間に終点。終点ではブレーキ架けるの忘れて猛スピードで突っ込む。脳のタナがイカれてたのは私の方でした。
 終点には誰もいません。なので乗り物(スライダー)は専用道横にあって私が乗り始めたのと同時に動き始めたスライダー専用リフトに引っかけて

 乗客を置いたままスライダーはドコドコ言いながら勝手に帰って行きます

 では乗客はどうするのかというと

 もちろん歩いて(歩かされて)帰ります。

 こんな急階段を。こりゃ体力のない不良は来ないなと思いながら息を切らせながら登っていると、早々にスライダーはスタート地点に着いたのか、さっさとリフトは止められ辺りは再び静寂に包まれます。 

 そういえばここには何しに来たんだっけ?

 考えながらの帰り道、ネコに会ったのをきっかけに思い出す。「そう言や本日ねこに一匹も会ってない」。と言うワケで「ネコに会えた」と言う目的をようやく達することが出来ましたよかったよかった。

 さっき寝ていた「柴系雑種(推定)」が今度は起きていて元気です。

 この眼、誰かに・・・

 結局ほぼ半日歩き回りましたが、目的は達成出来ず。ただ色々と調べると「ズリ」程度の痕跡は残っているとのこと。やはりこのままでは悔しいのでもう少し下調べの後再度訪問、探索してみようとは思います。
 では今回はこれで。