近所迷惑

音楽CDを買うと大抵は家のPCにMP3データとして落としてその後はPCを通して聴いている。
ところで私は耳が悪い。音楽聴くときは普通より音量高めにしているらしい。また、家の中で何か用を足している時は音楽等BGMを流しながら足している時がほとんどなので、用に紛れて聞こえ難くなりがちになり、更に音量上げる。たぶんとんでもなく近所迷惑なのだろう。苦情が来たことは一度もないが、気がつけば音量下げるように意識している。ただ、あまり気がつく事が少ないのが難点だが・・・。恐らく隣近所の人たちは「また始まった・・・」とか思いながらも、変人に関わりたくない心情から敢えて触れてこないのだろう。あんまり聴かされるものだから、もしかしたら私の好みの音楽等は何となく把握しているのかも。

BGMとして、音楽だけでなく落語も良く聴く。何故か最近は「トンデモ」系の落語を・・・。また出やがった。
まあ、人それぞれに落語論はあると思うが、世相を反映してその不条理を、鋭く・面白おかしく説き、批判する。他の芸能をもパロディとして愛着と時には批判を込めて題材にする。その感性を自分一人でなく「客」に披露して共に楽しむ。落語に限らず今日昔からの芸能として残っているものの原点の一つであったと思う。大衆受けすると言う意味では、それこそとんでもなく敷居が高いという難点はあるものの、「トンデモ落語」からは、そういったかつての「落語の原点」を思い起こさせ、だからこそ「ハマル」。あくまでも私見ですから。


我がPCに入ってる落語はほとんどが「快楽亭ブラック」。はい、言わずもがなです。その中から良く流すのが「○○人の恩返し」「道具屋・松竹編」。エロ系も大好きで当然良く聴くのだが、さすがに近所にはばかられるので音量小さめに。よって「用を足しながら」聴くのは比較的エロ描写の少ない上記のようなものになることが多い。自分ではわからないが恐らく大音量・・・
ところで先日隣の部屋に新しい住人が入ったらしい。日曜日、引っ越し屋らしき人々がバタバタと荷物を運び込んでいる様子。その日は天気が良くまあ、確かに引っ越し日和。私にとっては家事日和でもあったわけだ。家事無精な私はBGMで勢いを着けなければ絶対に家事ができない。で、その日のBGMは「ブラック師匠」。後から考えると「よりによって」・・・。聞き慣れた噺の筈なのに、特に「○○○会」を揶揄するとこなど何度聴いても面白く、大爆笑しながら無事家事も終わった。落語とか、セリフの入る場合はどうしても音量大きくなってしまうんですよね。その日はいい天気で窓も全開だったから、間違いなく近所にじゃじゃ漏れ。
どうも、その引っ越してきた隣人は一人暮らしのおばさんらしい。なんか特殊な時間帯の仕事らしく朝早く出かけて昼帰ってきて、夕方また出かけるらしい。一般のサイクルには全く合わないのでこれまで一度もその住民を見たことはない。それだけではなくどうも私の事を避けているらしい。というのも、引っ越しの挨拶をアパートの中で私だけにしなかったらしいことを何となく聞いたからだ。まあ、こちらとしても別に親しい近所づきあいを望んでるわけでもないので一向に気にはならないのだが、いきなり嫌われてしまった理由というのが気になる。やはり初日から大音響の大迷惑さんということがわかったからだろうか?


その日は祝日だったせいか、お隣さんも朝からいる様子。というのは私が出かけるときお隣の部屋のポストに新聞が刺さっているのが見えたからだ。うちのアパートは新聞を取っている人が少ないらしく、朝の薄暗い中、ドアから突起物が出ている姿は何げに目立つ光景だ。いつも私が出勤するときはちゃんと新聞を抜き取っているのだろう、お隣が新聞を取っているのはこの時初めて知ったし、同時に今日は休みで恐らく家にいるであろう事はそのことで察せられた。ただ・・・なんか違和感がある。急いでいたのですぐにその場を離れ、駅への道すがら考える。あ、刺さってる新聞がものすごく薄い(恐らく広告がほとんど挟まってない)からだ。分厚い新聞+チラシが「ザクッ」という感じでなく、本紙のみが「スルッ」ていう感じ。ナゾが解けた。ああ良かった、一件落着。

・・・真の問題は、そんなチラシも入ってない薄っぺらな新聞がどこの新聞かということで、そのような特殊な新聞を取っている隣人はどんな特殊な考え方を持った人かということだ。思い当たる新聞が二つ浮かぶ・・・一つは「しんぶん○旗」、もう一つは「○教新聞」・・・。いずれの購読者でも「ブラック師匠」は微妙だろ?後者に到っては下手したら敵だろ?
次の日から新たな日課が始まる。朝家を出るとき「隣りに刺さっている新聞を確認して、どこの新聞かを確認する」。先ほども話したように隣人は「全く一般人とは違う生活サイクル」なので簡単なようでこれがなかなか困難。大体それだけのためにわざわざ早起きするのもめんどくさいし(本音)。平日はこちらも朝忙しいという事情もあるため臨機応変の動きは取れず(実際通勤時間に新聞が刺さっている事を一度も確認ができなかった)、より確実な狙い目として休日を待つことに。でもせっかくの休日にいちいち早起きして確認するのめんどくさいので(本音)延び延びに。確認は遅々として進まずその間私の不安は解消せず、大音響でBGMをかけることを憚られる苦痛の日々が過ぎていった。
そしてある旗日についにそのチャンスを得る。朝早く、出かける用事ができまだ薄暗いうちにドアを開け、横を見ると・・・刺さってる! とりあえず紙名を確認、すると・・・。新聞が刺さっている状態というのは大抵折り曲がった状態で刺さっていて、ちょうど紙名の書いてあるはずの一面右上の部分が折り曲げられて死角になっていて「確認できない」。まさか余所ん家の新聞勝手に抜き取るわけにもいかないし(※注、私は前に住んでた隣人に、三度くらい夕刊を抜き取られたことがある。その隣人はその後入院した。)、大体朝早くから余所ん家の前で刺さっている新聞を睨みながら思案している姿も相当変なのでとりあえずはその場を離れることに・・・。しかし困った。とりあえずは何度か様子を見て「紙名が折り込まれていない状態」の時に確認するしかないと結論付けて、次の機会を待つことに。

なんかえらく長くなってしまった。一応続く。