ユメ十夜vs夢十夜 海賊版

本当は一週間前にこのタイトルで日記を付けようと思っていたのだが。当然内容は両作品、特に『海賊版』の方の感性が、メジャーの方にどこまで肉薄できるか、ということで期待していたのだが・・・ええ、正直に言いますとほとんどのエピソードがようわかりませんでした。
とりあえず映画観終わった後、青空文庫で『夏目漱石 夢十夜』を読み直す。『ユメ』の方を観た後読み直したはずなのだが、おかしい、こんな話だったっけ?
で、内容。「これは夢十夜を元にした映画だ」と構えて行ったせいか、どのエピソードも「原作」及び「ユメ」との差違を探すことにとらわれすぎてよく噛み砕いて知性としてではなく感性も動員することを忘れてしまっていた。それも監督の計算の内か?
十夜の内一つとして「こんな夢を見た」で始まる話はない。話の中で「かろうじて」も含めて比較的原典の内容に忠実だったのは「一夜」「二夜」「三夜」「十夜」。観ての通り、少しずつ漱石から離れていくような感じで、最後に至り急に漱石に戻される。ような流れ。
漱石にあまり依存していない、ということで「夢十夜」を意識せずに観た方が楽しめるかも。いずれにせよここの監督方はいずれも無名とはいえ、その大きな野心と未完成の才能が垣間見え、一応今後の期待を込めて名前ぐらいは覚えていても良いかも。