馬鹿がタンクでやってくる

先日植木等さんのことを書き、「クレージーキャッツ」→「ハナ肇」→「風来坊シリーズ」→「山田洋二監督」→「馬鹿がタンクでやってくる」→・・・というようなつながりで思い出したさる漫画のネタの話。
唐沢なをき先生「電脳炎」かなり初期の話。主人公の課長の勤める会社でホームページを開設することになって、その作業をパソコンに親しむ訓練を兼ねて、課長始め社内のパソコン音痴のおじさん方にやらせるという話。当然のごとくおじさん方はパソコン音痴らしいボケを次々とかましていき、特にWEB特有のボキャブラリーに対して、あんまりと言えばあんまりなボケを次々とかましていき、そのボケっぷりがあまりにもマニアックで時代錯誤すぎることがネタとなっている。

で、以下今日の話に関係するやりとり(手元に資料がないのでセリフうる憶え)
「社内と外部を繋ぐのだから外部からのハッカーの進入に気をつけなきゃ」「ハッカーって何だ」「どうやって進入するんだ」「ほらハッカーって言うくらいだから・・・」『ハッカーがタンクでやってくる』(と言うセリフとともに次のコマに戦車(タンク)が会社の壁を破って進入する絵が描かれている。「ムカシの山田洋二の映画ね」という解説付き)

ネタ(おじさん方の掛け合い)は更に続き、これはオチではないのだが、私はここで大爆笑して後の掛け合いは半ばどうでも良くなってしまった。この映画のタイトルを普通ネタに使うか?申し訳程度の一言解説はあるものの、この雑誌(ビッグコミック・オリジナル)見てる内のどれだけの人がわかるんだ?もしくは憶えているんだ?件の映画、今見るとかなり危ないタイトル、実際内容もかなり際どい話。そんな映画を実際に観たことがあってこそ、この大爆笑に途方もない価値があるのだが、極めて限定的なネタをサラリとやってしまうあたり、更にはある程度名も売れている現在になっても普通に同様のことやってしまう(あるいはできない?)唐沢なをき先生の凄さは本当に敬服する。実際この文章を書いてて、可笑しくって可笑しくってしょうがないんですよ。

なんか表題の映画をダシに唐沢なをき先生を褒め称える話になってしまったので少しは映画の話も。(以下太線部ネタバレ)
ある村の外れの方に、変わり者ということでのけ者にされて、馬鹿にされてる男とその老婆が住んでいた。あまりに村の者達に馬鹿にされ、ついにひどい仕打ちを受けた男は、ついに怒って戦争中から納屋に隠していた秘密兵器、戦車(結構チャッチイ)を引っぱり出して村中を暴れ回る。そんな息子の行いに心を痛めた老婆は亡くなってしまう。前非を悔いた男は老婆の遺体を乗せた戦車もろとも海に入水してしまう。

確かこんな話。あれ?亡くなったのは阿呆の弟だったっけ?私も観たのは大昔のことで疏筋で間違っているかもしれない。が、しかし一応はコメディー。クレージーキャッツのメンバーが、それぞれの特徴を生かしてのソロとしての活躍が顕著になり、全員がそろってのコメディ映画が作られる事がなくなる中、ハナ肇主演、監督山田洋二の元作られたシリーズの一つである、はず。確か。一連のシリーズの中でハナ肇=風来坊という新たなキャラ付けが誕生し、山田監督の、後の渥美清主演映画に繋がる「愛すべき愚か者」への視線も伺えて、その意味で興味深いかもしれない。わたしは当時の一連のハナ肇主演映画は好きですよ。

以上、記憶と想像・偏見を資料に述べたので明らかに間違った箇所があるかもしれませんが。もし、関係する至極特殊なキーワードでこんなとこに来てしまってなおかつこのような駄文を最後まで読んで頂けた奇特な賢人がいらっしゃれば、ご意見等ご指摘なんなりと。
・・・いるわけねえよな。