娑婆を歩く

 人生において、何度目かの浦島太郎。百年ならずほんの数ヶ月にすぎずとも、百年の時が流れたが如き世間の変容ぶり、浦島の戸惑いや如何に。
 駅前、お約束の如く何軒も並んだファーストフード店。中でもやはりマクドナルドはひときわ目を引く。某ブログに退院後いきなりマックのハンバーガーを食べて平気だった話が載っていたが、その主、案の定腸閉塞で入院した様子。マックが直接の原因というわけではない様子だが。私はというと、そんな大それた真似恐ろしくてとてもできない。ので、香りの外まで漏れ出ない限り、駅前のファーストフード店は時に好ましい、時に忌々しい、景色の一部にしか今は感じられない。臭いの外まで漏れない限り・・・。
 さて、ひときわ目立つマックのお店。私の中では「ファーストフードのパイオニア」として記号化されている、というだけでなくやはり再登場する「メガマック」の看板はインパクトが強い。まさに「キング・オブ・ジャンクフード」の貫禄である。このカタワになった体を持った今だから言おう、「こんなもんばっか喰っていたら、体だけでなく頭までおかしく」なりそう。などとは思っても口に出せない。私がマックを喰っていたのはだいたい「めんどくさい」時だったなあ。言うなれば怠け者の食い物だったなあ。あー、それでわかった。先日までなぜ「メガてりやき」などという暴挙をやってのけたのか。「メガテリウム」と掛けたんだね。もしくは1万年経つ間に訛ってしまったんだね。地球のどこかで人間が生きている限り、こちらはなかなか滅びそうにない。

 数十年かけて培った余計な知識よありがとう。こうやって、世界を堪能できること自体、いろいろなモノに大いに感謝。