能因法師の朝食

 これでも昔は友人達と鍋をつついて楽しんでいたこともあったのです。そんなころ、その時はすき焼き(関西風)をつつきながら、密かに重ねて肉を掴む。忽ち露見するや即ち罰として暫く白菜のみを処理する。
 その様なことが嘘のような今の朝食は、飯と汁と漬け物のみ。よく誤って沢庵を重ねて掴み、気付けば一枚を戻す。飯に、汁と幾許かの菜でも付こうものなら、既に法師の朝食には程遠い。
 別に歌が詠みたいわけではないが、何となく。