『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』

 ティム・バートンジョニー・デップの映画は久々。やっぱりこの二人が組んで出来たコメディは最強。血の気のないメイクでカミソリ振り回し人をぶっ殺しまくるキチガイを演ずる主人公に、久々にデップを観たなぁとしみじみ実感。
 一番笑えるところ、床屋の主人公、基本的に得物はカミソリだけなので目的を達する時にはイスに座らさなければいけない。そのため全然髭を剃ってもらうような状況でなくとも「お髭を剃りましょう」と脈絡なくイスを勧めるのがすごく良い。要領よく材料に仕立て上げるためのからくりイスをキチガイの目つきで作り上げるシーンも良い。こういった馬鹿馬鹿しいブラックユーモアの積み重ねによって、目の前にぶら下がった宿願を達するために完全にタガが外れてその結果生み出される悲惨な結末、そもそも己のエゴを忠実に業としたが故に陥った主要人物達の惨めさが大変際だつ。
 けど、私はこの映画を観てて、どの感情が一番多く出たかと言えば「笑い」の感情が一番でしたよ。全国規模で展開するシネコンで観ても、やっぱティム・バートンティム・バートンなんですね。最近観るのサボっていたのでまたこれから楽しみに観ることにしようかな。