その十二 流山市芝崎 「江戸川八十八札所 七十番 圓徳寺 大師堂」

sans-tetes2008-02-26

 隠れるように、茂みに覆われて、道路からはわからない。入口の小道は木の枝で覆われ、暫く誰も入った様子もない。入口近くに「芝崎村」と刻まれた道祖神、その後ろをよく見ると薙ぎ倒された「圓徳寺」の石碑。辺りを見回しても伽藍らしき建物は見つからない。廃寺跡に、このお堂だけ残ったモノか、それにしてもこの「隠れ家」振りはツボ。小道の奥に座するお堂もさぞや、と思いきや以外に綺麗。お花とお供え、小さなお大師様の像。在りし日、この場所に札所が存在し、巡礼の旅人を出迎えたモノなのだろうか。いずれにしてもお大師様への信仰は篤い。この小さなお堂に今でも地元の手向け、さぞや、と思いきやお堂の額のすぐ真横に蝉の抜け殻。冬に。お大師様の縁、わざと払わずに置いておいたモノか、或いはやはり、あまり人の訪れぬことの証か。よく見ればお花、一部は造花。そんなお堂にお賽銭と、私の足跡を残させていただきます。
 ここから先、これでもかとばかりに現れる「武生札」、さすがにこの場所は見落とした様子。それに気付くのは暫く経って、後からじわじわ、ほんの申し訳程度の優越感。