ミドリ『あらためまして、はじめまして、ミドリです。』

 そう言えば一年前やたらロフトプラスワンに通って通っていた頃のルーフトップ(ロフトグループの機関誌ね)に「ミドリ」というバンド名のボーカルさんの名前で書かれたコラムを連載していた。当時驕り高ぶった私は洋楽しか聴かず、日本のバンドに興味は向かず、しかしその不思議な言い回しで綴られたコラムが何となく引っかかった。
 先日およそ一年ぶりに訪れたロフトプラスワン、一年ぶりに手にする少しページ数が増し厚くなったルーフトップ、そこに「ミドリ」のニューアルバムを一ページまるまる使って大絶賛する記事。ベタ褒めなんです。その後訪問した某CD屋、「インディーズ」のコーナー、山本直樹先生描く××で××のような女の子が、まるで××するかの如く××してこっちを視る。たぶん、「ミドリ」に聞き覚えが無くとも買っていたと思う。だってあんな表情で××されたら・・・。
 
 これじゃあ、ジャケットを褒めてるだけだな・・・。もちろんすべての曲が、すごく良い。ってそれだけ? 最近私の中に巣食って、時々鬱陶しくて仕様がない青臭い衝動が「デストローイ!!」の一言で簡単に崩れ去るのが楽しくて仕様がない。下手な理屈など粉々に破壊しながら奏でられるメロディーに載せられた歌詞が、まるでコンクリの壁に飛び散った精液のようにやるせない。ただ垂直の壁に貼り付くことのみに発揮される、意味の見いだせないリビドーが、悲しくさせ、切なくさせ、そして自虐的な楽しくさを与える。これはパンクなのかな? それならば、この歳になってもパンクを愛せる青臭い自分が途方もなく愛おしい。愛おしい気分になりたくて、そんな自分を馬鹿馬鹿しく思う気分にもなりたくて、病み付きになって常に聴き続けてます今日この頃。
 そういや俺、パンクはおろか音楽のことなんて全然わからねぇや。だから心に響けば何でもいい。