『セックスと嘘とビデオテープとウソ』

 同じくロフトのイベントから。
 あれから4年、懸案だったアレはどうなった? というわけで「ハメ撮り」を巡る松江哲明さんの最近個人事情。
 『ハメ撮りの夜明け 完結編』からの、「松江監督自身の方向に特化した」続編とのことで、監督、ハメ撮りが大変上手くなる。上手いというのはハメてる時のカメラ使いとかいう純粋な意味でのハメ撮り技術だけではなく、ハメ撮りチラつかせることで暴露される身近な女性達のマイナス感情。実は見せたいのは女性達を通じて映し出される自身の暗黒面。その目的は全て「ウソ」を写すため。
 監督が何故こんな大がかりに彼女達を騙したいのか本当の所よくはわからない。画面に映し出される普段の何気ない会話に続く笑顔に、普段と異なる不条理な仕打ちに当惑を含んだ怒り顔。それとセックス。
 正しくはセックスのお相手の顔は「写さない」。これは相変わらずの条件のよう。ただ、ハメ撮りしてる場面で相手の顔にタオルの「目隠し」と「猿轡」でもって顔を隠す演出(?)はなにげにエロかった。
 4年経って、ドキュメンタリー作家としての地位を確立した松江さんに合わせてとてつもなく肥大化したドキュメンタリー作家としての業に更に忠実になってこんな「不快感」な空気の漂う作品を作ったのでしょうか。私自身は「不快感漂う女性の表情・言動」は嫌いじゃないので、「良かった」です。
 けどヌケません。