『77BOADRUM』

 2007年7月7日、ボアダムスが音頭を取ってニューヨークのブルックリンで行われた77のドラムによるライブパフォーマンスの様子をそのリハーサルの様子から追ったドキュメンタリー。
 中心となったボアダムス始め、史上初の77人に参加する出演者達のリハーサルから実際のライブの様子まで、みんな実に楽しそうに参加しているのだから、観てるこちらも楽しくなる。一方で、実際の会場では「一番近くのドラムの音がうるさくて、ドラム全体でどのような曲になっていたかはよくわからなかった」ドラム全部で生み出される曲全体の様子を上手く編集、音響の担当さんの執念とも言えそうな心意気を感じる。んなもんだからスクリーンを通して再現される「音楽」そのものも十分楽しくて、ここが日本の映画館ではなくアメリカの映画館だったら、若しくは『片腕マシンガール』の様に「事前に拍手と歓声」の許容が許されていたのなら間違いなく曲に合わせてガンガンにノッていたと思う。ただし本日、上映後予定のトークショーもあってか席ほぼ満員だったので、この人数でこの映画館(シアターN渋谷)でそーいうことすると確実に椅子が全部もげる。
 ただ、スクリーンを通してしまうことで致命的に再現できないことがあり、それはこれも参加者が言っていた「ビートを耳で感じるのではなく体全体で感じる」音の振動。これだけ多くのドラムが集まってこそ体感できる、川を挟んでマンハッタンまで体感したであろう空気の振動に、その場にいた人々の多くが感動したとのこと。当然ながら、スクリーンからはこれを体現する術が限られているので、もしもそのうち吉祥寺バウスの爆音シリーズで上映されることがあったらまた観に行きたいです。
 日本ではやらないのかなぁ〜。