『ラット・フィンク 〜ボクのビッグ・ダディ〜』

sans-tetes2008-12-17

 カスタム・カーにハエのたかったネズミ。どちらもそんなに興味はないのですが、この映画を観るまで。別にこの映画を観たからと言ってその両者に興味が湧いたわけではなく、興味が湧いたのはその両者の生みの親"ビッグ・ダディ"ことエド・ロスの人生の方。やはり「好きなことしていたら、いつの間にか有名になっていた」人生を第三者から見ると面白い。この面白い人生を作中で数々の「イカした」車達と件の「ハエのたかったネズミ」が案内して回る。案内して回りながら、アメリカが、本当に栄華を謳歌していた時代を振り返る。
 えーっと白状すると、冒頭の「ネズミに興味がない」と言ったのはちょっとウソで、この映画を観てから後、この映画のおかげでちょっと興味を、と言うかその誕生の経緯に触れてその記号的意味を学ぶにいたって、この汚らしいネズミに少し好意を持つように。映画の中で強烈に心に響く、このネズミを生み出したエド"ビッグ・ダディ"ロスの言葉「ミッキーのような良い子と相容れない子達へ」。あっちの方のネズミしか知らなかった幼い頃の僕に聞かせたい言葉だ。大人になってからも自身の協調性の無さと無知を自覚するのはホント子供みたいでイヤだなぁ。
 も一つ、"ビッグ・ダディ"からの印象的なセリフを。「地にタイヤをつけて方向を見失わなければ大丈夫だ」。ああそうですね。