『チェコ人形アニメの巨匠たち』

 半分くらい寝てしまう。映画長距離リレーのアンカーがドキュメンタリーだとさすがにキツイ。
 と、言うわけで、本編後におまけで流れた人形劇アニメについて。

 では『リンゴのお姫様』。まずなによりも、お姫様を見つけて妃にしようとした若い王様が死ぬほどマヌケ。その間抜けさ加減と言えばパンツ一丁でお姫様とデートをしていてみすみす魔物にお姫様をさらわれる魔界村のアーサー並。お話は、お姫様に成り済まして妃に納まろうとするゾンビ顔の魔法使いと、その窮状を何度も何度も王様に知らせようとしては魔法使いの手下のカラスにボコボコにされるお姫様との攻防を延々と繰り返す話し。だいたい、お姫様と魔法使いが入れ替わった時点でそんな婚約なんてご破算にすればいいじゃんとか思うんだけど、執拗に婚約指輪を誇示する魔法使いの前に簡単に王様が引き下がるのは、チェコの感覚ではそんなに指輪の効力が絶対的なのかただ単に王様がヘタレすぎるだけなのかはよく解らない。いずれにせよ、この王様情けなさ過ぎて、この王様に治められている王国の行く末が心配になってしまう。対照的に、何度再起不能にされてもチャレンジして最後にリベンジをかます「リンゴのお姫様」のド根性振りが物凄く際立ってこれもまた可笑しい。

 次に『ゴーレム』。『リンゴの〜』で目は覚めたとは言え、ボケボケ頭にこれはやばいなぁ。街の建物、なに見てもその想像が迸るユダヤ人の爺さんの過去は問わないが、悲惨。後には「驚愕の表情のユダヤ人のおじいさん」と「粘土のように自由自在に変化する建物」が頭にこびり付いてどうしよう。