拾遺 「神式」

 この部署最後の日に、会社序列No.2の通夜があるため、私の話題は全く上らず。図らずも「パンダと円生」の故事を体験。どうやら私は老兵らしい。
 その亡くなったNo.2には恩も義理もあるし、何よりその人自身が嫌いなワケではないので、仕事終わって即斎場へ。私が着くやその斎場から救急車が出ていった。普段なら「順番が逆だろ!」とか突っ込む場面であるが、流石に自粛。故人の儀場へ着くと、式は神式だった。だからと言って、数珠を忘れたのは別にわざとではない。あまりお目にかかれない、且つ神聖にして荘厳に執り行われる式の様子、普段なら間違いなく興奮のあまり目を輝かせるトコロであるが、自粛。職場の雄志数名が受付でお手伝い、一応私も手伝うことはないかお尋ねする。と、私に異動を告げた上司にやんわりとお断りされる。
 こんなコトもあろうと、事前に各宗派別にお作法を予習、神式もバッチリで余裕を持って榊を捧げるはずが、故人の元気な頃の遺影に「心乱されて」、そう思う通りにはいかない。手を合わせて、目を閉じて、故人に色々話しかける。その内同列隣の参列者が早々に手を合わせ終わったと見え、肩が触れ、仕方なく私も退場する。もっと話したかったんですけど。全然関係ないが、式に来て、故人が○○○会員だということが初めて判明したら凄くイヤ。