唐沢なをき『機動戦士ぶよガンダム』

 アムロがイヌでももはや何ら違和感も抱かなくなってしまった『犬ガンダム』に引き続き、一巻読み終わる頃にはアムロもシャアもセイラさんもマチルダさんもホワイトベース(「白豚」)もザクも全てがデブの大飯喰らいであることにもはや何ら違和感を抱かなくなる、と言うのが恐ろしい。そんな不条理と並んで作中のおそらく作者の「デブ飯愛」が炸裂するレシピなんかもあって、ただのデブでないのがさすが。そー言えばこの人「デブ」と「料理」をシュールに描くのも結構重要なテーマ(?)だったんでした。合間に登場する「白豚」クルー達のとっておきレシピと食べ方もかなり気合い入れてデブ量産を期して良い。しかしどんなにキャラが異常な方向にデフォルメされてもすんなりと収まってしまうって、ネタとしてはすげーきついっすよね。もはやデブというだけでは逆にならずギャグにならず次から次へと想像を絶するデブを出していかなきゃギャグにならなくなっていくわけだから。あとはシャアが適所でちゃんと「あの」セリフを言うのかどうかがこのマンガにどうガンダムとしての収拾をつけることができるかという点と並んでの見所。それにしても唐沢マンガはキャラが可愛いくせに飯を食うシーンは異常にキタナイ。