その九十九 鎌倉市坂ノ下 『虚空堂内 舟守地蔵』

sans-tetes2009-04-20

 いつ来ても、白い幟が大挙するこのお堂、極楽寺に上がる坂の途中、ちょっと急な階段でもって上っていかなければならないのでお参りするのみんな億劫らしい。「面倒くさいからいいや」とか公言してさっさと通り過ぎるおばさんとかいる。大きなお世話でしょうがそんな大事なことは余り大ぴらに話さない方が・・・。
 虚空蔵菩薩のいる本堂はなんだか千社札を納め難い雰囲気。もったいぶって「へへぇ〜」てな感じで平伏するようなそんな感じなので。あ、一応褒め言葉。で、その隣の二回りくらい小さいお堂、これが本堂に治められない千社札どもの格好の餌食に、一見貼るとこないくらい千社札に覆われているが、もう百回近く千社札を治めているとこれくらいの障害など何ともない。あと一枚くらい貼れる場所を見つけることなど何ともない。どちらかというと貼ってるところを他人に見られない事の方に気を遣う。あ、貼ってはいけないところに貼ってるわけではありませんのであしからず。
 さて、このお堂の主のお地蔵、何故か舟に乗ってる。彼岸を渡り亡者を救い行く姿を現したモノか本当に舟人を守に霊験あらたかさの現れかなのかよく判らない。が、余りお見かけしない、御利益への控え目な暗喩か、それとも逆にかなり即物的な願いを表したのかよく判らないところが楽しい。いずれにせよ、乗ってる地蔵が石で出来ていても舟そのものが石でもこの舟は沈まない。根拠はない。