その九十八 さいたま市中央区本町西 『御嶽神社』

sans-tetes2009-04-16

 与野公園のお隣にひっそりと、一方的にそんな印象を持ったのは夜に来たせいなのと、ただ単に土地勘が無いせい。近くを国道17号バイパスが走っているはずだが、車の走る音はあまり聞こえない。
 お社は、こんもりと盛った丘のてっぺん。結構急な階段は、御嶽の本社を離れてもその雰囲気だけでも味わえればとの熱き講中の思いの現れだろうか。実際、社の周囲に立つ講名の抜かれた幟、秩父の峰峰を眺望する限り、武蔵・相模、果ては甲斐両毛に至まで広がる御嶽の、今でも耐えない御利益。コレで社のどこかに「犬神の護符」でも貼っていようモノなら最高なのだが、残念ながら見つからず。
 参道に沿って、剪定された紫陽花の木が並ぶ。当然の如く涸れて萎れた花の残骸がこちらちらほら残る、季節柄。暗くてよくはわからないが、ほかにもいろいろ工夫を重ねた草花のある様子。はっきりとはわからない、季節柄。この場合、花よりも、夜の静けさを尊しとする。ここまで静かだともう何でも嬉しい。社務所が立派なのが凄く嬉しい。社までの道のりが急なのが凄く嬉しい。幟がたくさんあるのが凄く嬉しい。山のてっぺんの木々からちら見える新都心の光が凄く嬉しい。架下の17号に並べられたナトリウム灯にぼんやりと浮かんで見える首都高大宮線が凄く嬉しい。