軍艦島日帰りツアー

参加日
 5月23日
 行程
長崎駅(8:30) ===長崎港 〜〜〜 高島(○石炭資料館 === ○グラバー別邸跡===○北渓炭坑跡)〜〜〜 軍艦島上陸(約1時間)〜〜〜長崎港13:00 ……◎出島ワーフ(自由昼食)……… ◎出島(軍艦島 特別編纂映像視聴)・解散15:30

 天気 晴れ時々曇り


 ↑長崎駅左の方で黄色い服着てなんか板みたいの持っているのが近畿日本ツーリストの添乗員さんと集合場所です。
 団体行動がキライなので、集合場所の長崎駅前で受付を済ませた後、時間ギリギリまで駅周辺を写真撮ったりしてウロウロしてました。私にとって「JRの駅がドン突き*1」というのは稚内駅以来の出来事なので、それだけでえらいこっちゃなのです。なかなか理解できないとは思いますが。



 ついで軌道。ドン突き関係ないけど


 事前の注意としてトイレは必ず事前に済ませるとのこと。トイレタイムは高島着くまでありませんが、途中船中に一応トイレアリ。ただし「客室の外」ということでちょっと危険なのかもしれない。今回のツアーでは船中トイレを利用しようと言う強者はいなかったので具体的にどーなっているのかよく解りませんが、わざと船中トイレを利用してレポートしてみるのも一興かも知れません。因みに私は持病が怖いのでトイレなるべく利用しないよう、前日の昼に浦上教会の近くでトルコライス大盛りを食べたきり晩も朝も何も食わずにキアイを入れてきました。

 一行はバスに乗り、歩いても10分もかからない距離の長崎港まで進みます。またコノ話で恐縮ですが、昔はこの間鉄道が走っていて、バスで降りたのは大体旧長崎港駅の端っこあたり、ここから桟橋へ向かうと赤いTシャツを着た数人のスタッフが立っています。本日お世話になる「軍艦島コンシェルジェ」の皆さんで、中心に立つ初老の男性が中心となる坂本道徳氏、NPO法人軍艦島世界遺産にする会」の会長でもあります。恐らく日本で一番アツく軍艦島を語る男、以前東京でオー・プロジェクト主催のイベントでお見受けはしましたが、弁舌さわやかに活気と希望に満ちた氏自身の「故郷」として軍艦島を切り取る語り口は健在です。

 ここで一通りの注意事項。団体行動がキライでも団体行動を乱して団体を危険にさらすような行為は絶対に避けましょう。そして坂本氏よりここで挑戦的な言葉、「上陸までにさせていただく私の話を聞いた上で島に上陸して、再び帰って来たときに、皆さんの軍艦島を見る目が変わるかも知れません」。まさに「会」の目的はここにあるといって良い、坂本氏の真骨頂でしょう。

 船に乗ります。船長始め海の男は格好良いとか書くとホモに間違われそうですが実際に格好良いので仕方がありません。長崎湾の途中、女神大橋の手前あたりまで武骨な港の船々・ドッグ・タンク・その先に広がる魅惑的な長崎の地形を眺めながらゆるゆると進みます。



 この日はなんかのイベントで普段お目見えすることのない自衛隊巡洋艦がお披露目をしていました。


 朝鮮有事の際は九州北部全域で展開するであろう佐世保自衛艦ですね。その時は是が非でも活躍してもらいたいモノですと言うか活躍してくれないと困ってしまいます。

 船は急にスピードを上げ、時間差で先に軍艦島上陸予定のどっか別のツアーの遊覧船を追い抜いていきます。船中では船窓の説明をしながら高島・端島(軍艦島)、その周辺の島嶼部炭鉱についてのレクチャーです。良質の炭鉱を掘り当てるべく周辺で掘り返された試行錯誤の末に超優良の鉱質を誇る端島に行き着いたのか、そんなようなことです。その中で興味深かったのは、その端島に至る前に掘り返され、埋め立てが始まり或いは端島の前に「軍艦島」になり得たかも知れない島のこと*2で、鉱質が良くないのですぐに放棄されたとのこと、一時海上にその姿を留めていたいたのがその後の風雨浸食により今は岩礁にしか見えないとのこと。

↑さしずめ現在は「潜水艦島」と言ったところか。この岩礁の下には当時の鉱窟跡や機材の一部が残っているのであろうか、誰かバカなダイバーが潜って命知らずなレポートでもしてくれないだろうか。

 そうこう言っている内に高島です。まずは石炭博物館前にある「軍艦島の模型」前で坂本会長によるレクチャー。この模型、一人で来るとたぶん一日中眺めていても飽きないくらい良くできていますが、雨っざらしです。

往時の軍艦島を再現した模型の前で、目を輝かせて坂本会長は熱弁を振るいます。どの建物がどの用途でどの順番に建てられたかというとこから氏の個人的思い出まで、これから行く島が嘗てどのような姿を見せていたのかがまずバーチャルに解るという仕組みです。

 それにしても良くできた模型です。それにも増して坂本氏、アツイです。


 ここから島内2台しかないバスの内の一台を贅沢にも借り切って島内を回ります。旧鉱山住宅の横を通って向かうのは「グラバー別邸」。開国後の一山当て込んで乗り込んできた武器商人の別荘らしく眺めは良かったのですが、あんまり興味なかったので、
 その手前の廃墟と化したプールに伸びる宇宙蛸の触手のような草とか

 なんか眺めが良い草ぼうぼうの所にポツンと置かれたイスが凄くシュールだったとか

海岸のテトラポッドとか

 グラバー像に暗殺された市長の名前が刻んであったりしたことの方が気になって仕方がありませんでした。

 その次に向かった先が「北渓炭坑跡」。高島の炭坑発祥の地、引いては軍艦島のルーツということで、大変地味な感は否めませんが実は物凄く重要な史跡ということです。

 ついでにその近くの山の中腹にある仏像も気になりましたが団体行動なので近づくことが出来ませんでした

 その後港へ向かう途中、高島から望む軍艦島に対面、うっひゃ〜遂にご対面! 気にボルテージが上がる演出に乗せられてしまう演出の心憎さ。

 島内一週終わったバスは港へ、ここまで案内してくれたバスとはサヨナラです。ここで気付いたのですが、このバスの出入り口の扉、蛭子能収さんのイラスト! 降車中は扉開けっ放しだったので全然気付かず。撮ろうとするとバスはとっとと去って行く。

迂闊! 口惜し。

 軍艦島上陸の船に乗り込む前に、ここで島民さんからの差し入れをいただきながらスライド付きで坂本氏のレクチャーを受けます。ここでも語ります、坂本氏。アツイです。坂本氏が何故アツイかというと、軍艦島は氏にとって多感な成長期を過ごした忘れられない故郷なのです。そしてその故郷が産業構造の変化・企業の方針転換という一個人の人生とは全く関係ない理由でもって立ち入ることが出来なくなったのです。故郷とは、それぞれの人々にとって忘れ難き想い出の存するところ、ある人は忘れたくない想い出に満ち溢れ、ある人は忘れたくて仕様のない想い出に彩られ、少なくとも坂本氏の場合は忘れたくない想い出を残すべく、そしてその想い出を大勢と共有するべく、考えてみればなんて贅沢でスケールの大きい故郷への思い入れなのでしょうか。それをこのように観光という形でやってのけて、さらに次の目標へ向かって突き進もうとする氏の行動力は尊敬に値します。その思いをどう取るかはまさに人それぞれなのでありましょうが、少なくとも私はその思いを強く尊敬したいです。その坂本氏のお話・・・想いと経験を聞きながら、ここで流される「生きている」頃の軍艦島の様子を映した映像・写真、凄く面白いです。

 十分洗脳されたところで、いよいよ上陸です。船窓から、軍艦島が近づいてくる・・・この時の興奮が写真を見ていると今でも伝わってきて何がなんだか解らなくなってしまうのでからはほぼ写真をあげるのみで。

 それぞれの場所が何処ということとか、島内都合三カ所設けられたポイントでの坂本氏の興味深い解説は、是非ツアーに参加して聞いていただければということで。
 
 この後長崎に戻り、出島見学が入りますが、殆どオマケみたいなモノなので、まあ。坂本さん始め軍艦島コンシェルジェの皆様その他スタッフの皆様ありがとうございました。

*1:「突き当たり」の関西言葉。彦根で道聞いたおばちゃんから教わりました「そー、この先ドン突きドン突き」。気に入ったので機会あったら多用したいお言葉

*2:なんちゅうこっちゃ、肝心な島の名前忘れる。「増島」だっけ?