福井晴敏『機動戦士ガンダムUC』

機動戦士ガンダムUC〈3〉赤い彗星 (角川コミックス・エース)まだフル・フロンタル本格的登場の3巻までなのですが。止められません。止まりまへん。ファースト世代だったら読むスピードが加速度的に速くなります。続編の醍醐味の一つは過去作の登場人物達のその後、多くの作品ではそれを「過去にすがる駄作の印」である場合が多いけど、いいんです。何せ誰も信じることの出来ないコトが証明されてしまったU・C(宇宙世紀)のお話なんですから、あの悲惨な戦火をくぐり抜けた彼らがどうなっているのか、その後の人類は・・・その彼らが登場するいうだけでそれは奇跡、これが今のところこの本「本筋」以外の楽しみ方です。
 とは言っても、正直に言って今までSF小説読んでいるわけではないので、作中のSF的語句の理解と想像が難しくて突っかかるのは確か。ところがどうして、読み進めていく内に段々とその見慣れない(と言うか現代普通に生きていれば想像する必要がない)語句が語感から何を表すか、一瞬のうちにイメージ化、本を持つ指先から「何か」が頭を駆けめぐるニューロンに直結するのを意識できてこれ以上進むと無意識化に存在するプレッシャーに耐えなければいけなくなり乗りテツなのに電車に乗れなくなる悲劇が生まれる気がする。ああなるほど、この本は機動戦士ガンダムの皮を被ったニュータイプ覚醒教本なのですね。そんなワケねぇだろ。もしもこのざわざわ感をうまく操れるようになったら僕のバイクにサイコミュを搭載してもらおう。いい加減にしねぇか。