この度めでたく八戸から青森まで延伸「させられ」ましたよ青い森鉄道線青森八戸間

 八戸へ行きたかったのです、この日。車力*1から八戸まで、いつもの通りの押せ押せスケジュールを徒歩と列車だけで縫うこの日、無難にスケジュールを消化できたのは奇跡だと思ったのと、ずっとご無沙汰でしたイー・モバイルくんのアンテナが久々に4本立ったのに気が緩み青森駅で少し時間を潰すことにしました。

 一昨日三厩へ行く際は奥羽本線から駅構内は出ずに直接津軽線へ乗ったので青森駅の改札をくぐるのは初めてでした。先日は駅構内から出ないのだからとせめて往年の青函航路利用客よろしくその往年のままの超有効長のホームの端から端までを

荷物持ったまま走るの行を敢行したところさっき食った駅蕎麦が其処まで出てきそうになって難儀したあげく

今や何物にも乗り換えることのできないこの「のりかえ」の看板にひどい敗北感を受けたまま津軽線に乗ったのが*2一昨日だったということなど嘘のようです。ウソです。走ったことと三厩へ行ったことは本当です。

 一転してこの日、外から見た青森駅の何もない先っぽ日暮れ時。お約束ですから線路に沿って港の端っこまで歩いてみました、すると

 放置状態のに加え、謎の塗装が更にがびがびに剥がれ室内まで葎みたいなのが生えまくった謎の気動車

 なんか適当すぎる編成になった貨車。けど「盛」はイイですね。あの車体番号は現役時とそのままでしょうか?

 こんなコトにはめげずにそのまま、使ってんだか使ってないんだかよくわからない線路に沿って先へ行くと

 ついに線路果てて

 架線も果てて

 進入禁止だけど釣り目的のどこぞのオヤジがバンバン侵入してる防波堤へ。僕は釣り人でないのでこの先行けない、正真正銘青森駅の先っぽ。

 相変わらずこんなんばっかだと相変わらずアレなんで駅前に保存されてなんかの施設に生まれ変わってる八甲田丸と可動橋、残ってる線路。本当はこっちを観れば良かったんですよね。けど私、青函連絡船については数年前に観た笹川財団制作の映画*3青森駅セット*4で未だにお腹いっぱいになったまんまなんで正直どーでもよい。けどやっぱ、ゆりかもめでしょっとお台場に行くだけであんな青森を体験できてしまうのはひどい冗談だと思う。

 なんてことを思いながらふらふらしてたら既に入替屋さんのDEが上野行き「あけぼの」の牽引を終わって帰って行くとこで、もうこんな時間かと急いで青森の繁華街で飯を食らい

 青森駅はすっかり夜

 目的はこいつです、やっと、青い森鉄道

 いつの間にやら新幹線が新青森までできちゃって更に北海道まで伸ばし途中津軽今別*5に停車駅作っちゃうという暴挙が進行中の今日に於いて、三セクの各停で青森から八戸まで、これも暴挙と言われれば否定はできない。けどせっかくセミクロスシートにしてくれて地元民だけでなくいろんな人たちに便宜を図ろうと(?)してくれてるいつの間にかローカル線に時間があれば乗ってあげるのが人情でしょ? 太宰治も『津軽』でも「弱い者に味方するのが人情」みたいな一文あったし。問題は八戸、津軽じゃなくて南部だけど。

 青森から八戸へわざわざ青い森鉄道を使って行く変態旅行者は自販機を使わせてもらえず窓口で切符を購入することになります。窓口で「八戸まで」と言うと窓口のおいちゃんが更に、より、もっと、丁寧に接してくれるかもしれません。よう知らんけど。この日は休日だったので1800円以上の区間購入で自動的に青森・目時(!)間乗り放題の「青い森鉄道フリーパス」の発行になります。ちゃんと通し潤・tき。時間あったら途中下車するのに残念です。沿線見所沢山です。元々有人時代の駅舎もいくつか残っている上三セク移行後駅監視もユルくなってる可能性高いため駅寝の穴場かもしれません。この記事は決して積極的に駅寝のご利用を進めるモノではありませんが、万一ご利用の際はマナーと節度の遵守を。

 コレを逃すと八戸線最終列車に接続するために新青森まで戻らなければならない上に新幹線に乗らなければいけないという醜聞に塗れないといけなかったため、別に狙ったワケで無かったのですが乗った列車は沿線各地の見所・食べ所をご紹介するパッケージ列車でした。コレを紹介してるのが青い森鉄道のマスコットキャラクターらしく名前を「モーリー」と言うらしい。全国津々浦々ゆるキャラ時代の昨今に於いて特に珍しいお話ではありませんが、私、後で読んだ資料で初めてこの子の設定を知ったおかげでそれまではこの子ずっと「イカ」かと思ってたが本当は「青い木」だったらしい*6。がんばれ*7

 以上なんだかんだあって実際に列車が発車したのは日が落ちて大分経ってのこと、車内は学校帰り、お仕事帰りらしい通学通勤客やたぶん途中の浅虫温泉駅とかで降りそうな観光客さん、確実に三沢駅で降りるだろう外人さん等で結構多彩な顔ぶれ、私は当然のごとく変態だったのでしばらく席座ったらしばらく動かないつもりで弘前城前で買った小山煎餅とか(うめぇんだこれが)ばりばり食いながらぼーっと車窓を。夜のことととて当然のごとく車窓に全く期待できず、ただ当然のごとく好むと好まざると全線複線の超高規格ローカル線の悲哀、俺が通勤で乗る路線より高規格という不思議と悲哀の感想を抱いたまま昼間の無理行の疲れもあってそのまま眠りに落ち、気づいたら三沢駅を過ぎてほとんど乗客の残らない車内、まもなく終点の八戸駅、となるであろうと予想していたにも関わらずそうならなかったのは車内温度設定がむちゃくちゃ高くて、シートなんかオンドルかよと思うくらい熱いのが私の尻から芯まで熱し続けるものだから結局八戸まで起きっぱなし。

 八戸駅八戸線ホーム側から。外気の涼気が大変心地よし。ところでモーリーくんはどうして泣いてるの?

 と云うワケで無事ローカル線を乗り継いで八戸線陸奥湊駅まで無事到着したのですが、そのお世話になった青い森鉄道、ご多分に漏れず億単位の赤字計上と云うことで、多少でもその赤字の穴埋めになればと思いつつも今後の予定から残念ながら今回利用する機会はありません、と云うワケでそういう時にはグッズを買ってあげましょう。津軽鉄道さんとかバリバリの観光特化路線と比べるとまだまだ歴史の浅い青い森鉄道さんの方にはそういったグッズ類はまだこれからと云ったところなのでしょうが、八戸駅に付属してる「ユートリー*8」と云う地場宣伝・販売の施設にモーリーくんグッズが置いてあります。今のところココにしかないそうです。グッズの置いてある場所は端っこの方で少し見つけにくいかもしれませんが、他の地場のお土産物を眺めながら探してみましょう。
 で、私が気に入って手に入れたのは

 モーリーくんストラップ。私、携帯にストラップは付けない人なのですが、この「モーリーくんストラップ」に衝撃が走るほど気に入ってしまいまして迷わず購入。この子のどの部分が私の琴線に触れたのかというと

 この後ろ姿。ヒトデを重ねたようなこの突起は「木」の姿をそのまま表現してのモノでしょう。その思いきっりに最大級の賛辞を送りたい。オレ、ひっくり返してみてこの気持ち悪ぃ質感にすんげぇ驚いたもん。ジョゼフ・メリック(エレファント・マン)の後頭部もかくやと思ったこの質感。ああ素晴らしすぎる・・・。

 そんな素敵な青い森鉄道線、いろんな人に利用してもらうといいなぁ。乗らなくても乗車券買おう青い森鉄道、けど本当は乗ってほしい青い森鉄道、モーリーくんグッズも買って青い森鉄道。他のグッズはきっちりゆるキャラです。
 ところでだれかこのキモカワ系ストラップいりません? 私、買って十分満足なので後は誰かかわいがってやれる人に。

*1:つがる市車力地区。旧西津軽郡車力村

*2:本当は津軽線に乗って三厩へ行くのならかえってこのくらいの気持ちの方がヨイのです

*3:http://d.hatena.ne.jp/sans-tetes/20090117#p1

*4:http://d.hatena.ne.jp/sans-tetes/20090112

*5:参考、津軽今別駅(2001年)http://f.hatena.ne.jp/sans-tetes/20020718121040→現津軽今別駅http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B4%A5%E8%BB%BD%E4%BB%8A%E5%88%A5%E9%A7%85(Wikipediaより)

*6:http://aoimorirailway.com/logo_charactor/index.html

*7:この子のブログ→http://ameblo.jp/aoimori1204

*8:なんか癇に障る人がいそうなネーミングだが敢えて触れない