『チャプター27』

 言わなくて分かりますが、世界で最も有名な殺人者の1人、マーク・ディビッド・チャップマンのお話で、主役を演じたなんたらかんたら(名前忘れる)の凄まじいまでの役作りに始まる体当たり演技が評価されてるそうな。よう知らんけど。
 この事件、「被害者の大物振り」と「事件に至るまでの加害者の不可解な行動」が大きな話題となって、結果的にジョン・レノンの伝説作りに一役買ってしまう形になってはいるが、私的には「こんなつまらん男にジョンは殺られたのか」という憤りの方が強いですね。
 寒い寒いニューヨーク、この街の魔力に呑まれていきながら、信仰の対象と自ら信じる使命に苦悩しながら最終的にその役割を担うこととなったチャップマンに、結果的に伝説を完成させるものとしてユダの黙示録におけるユダの役割を見ないわけではないが、やはり「ビートルズの再会」を期待するすべての希望を打ち砕いたこの暴挙に絶対に美しさは見いだせない。その意味でチャップマンの醜悪さが際だつ役作りは確かに大当たり?
 まあ、フィクションだし。