お金払って、耳掘ってもらう

 ひそひそ話しようと、息吹きかかるほど顔近付けた時、目の前にあるのが垢だらけの耳だったりしたら、興醒めでしょう?
 などと気取るつもりなど毛頭なく、ただ単に自分の耳を一度でよいから覗いてみたくて、ついでに耳垢も取ってもらいたくて、耳掃除だけをしてくれるところではなく、カメラが付いていることにこだわり、WEBで探してみつけた近くのお店に、いきなり予約時間に遅刻して行って参りました。
 耳掻きするの好きな人と嫌いの人、まあ、それはほぼ耳の中が気になる人気にならない人の分布に重なるのだと思うけど、耳掘られにわざわざ行くくらいだから私は当然、自分の耳の中がすごく気になる人。ちょっと気になると耳をほじらずにはいられない。一方で耳掻き捌きが下手なので、自分で掘ると大きい垢が崩れて掻き出されてくるのが悔しくて悔しくて、自分ではあんま掘らない。掘らないもんでこれまた垢がたまるたまる、それでもってスゴク気になる気になる。
 で、初めて覗いた耳の穴、「きったな!」。あちこち逆立った耳毛に垢がコーティングされて、前人未踏の鍾乳洞みたいになってやがる。これ掘らずに入ったら間違いなく遭難だー、出てこれん、という耳を文字通り「掘ってる」。それ以前に、汚い耳を施行者の若い女の子に見せてる時点で物凄く恥ずかしい。正しくは、「知らずに見せてる自分の耳がここまでだったということを後から知る」ことで恥倍増。
 カメラを通じて眺めながら、見る見るキレイになっていく耳。ところが表面全体と耳穴を少し掻き出して掘り作業終了。あんまり奥は危険なので、とのこと。掘りはともかく、もっと耳穴の奥まで見たい、欲求を達成できなかったのは痛い。まあ、2000円じゃ仕方ないかー。更に奥ともなるとやっぱ大阪の『たまこん』まで行かなきゃダメかな。今月は私用で長野まで行こうと思ってるから大阪はずっと先だなあぁ。何をしに長野まで行くかって? それはもちろん・・・。『書を捨てよ!街へ出よう!』。
 おしまいに耳のツボ押しとマッサージ。耳が冷たいのかツボが効いているのか冷たい女の子の掌がスゴク暖かい。耳と爬虫類、どっちが冷たいかな、熱燗触った指を冷ますのに自分の耳触るのとたまたま通りがかったコモドオオトカゲ触るのとどっちが効果的かなとか考えてるとマッサージも終わってコース終了。
 通いやすい値段なんだけど、「未踏の奥地をアプローチできない」不満はやっぱ大きいなぁ。やっぱ一度大阪まで行ってみるかな、耳掘りに。もし定期的に通うなら次は2週間後だそうな。そんな2週間後なんて・・・どうせ行くんだったら、目一杯垢を溜めてから行こうと思います。次回も大量に取れた垢の固まりを見たいので。すぐ恥を忘れるおっさんてほんとやーねぇ。