その四十三 新宿区新宿四丁目 『雷電稲荷』

sans-tetes2008-04-23

 マルイができる前、この場所から何が見えたか良く憶えていない。ここらで雨が降ると、だいたいこのお社でしばし屋根を借りること度々であったはずだが。
 久々に訪れたこの神社、大分変わってしまっている。何より施錠された門が参道を阻み、全く開かれていないことにひどく悲しい。
 来客を拒む造りを付け足したにしては、社前昼間でも明かりをつける歓迎振り。社を守る狛狐は檻入り。資本主義の権化のような街、新宿に相応しくなかなか凶暴と見える。精悍な顔つきの現狐の後ろに役目を譲った先代キツネ、これがまた在りし日の新宿の平穏さを表すかのような「笑わせ顔」で楽しい。しかも子連れにて今は現役のお狐を見守る(?) 手水舎桶の柄杓に何故か「花園神社」の名前。柄杓ない社の窮乏に見かねたお狐の手柄か、それ故の入牢か。さておき、真実は単に花園神社と管理を共有するのであろう。ということは、この社もかつては内藤家と由縁? ならば、本社の隣の六角堂を守る見た目はお狐よりインパクト強いガマとの関係が大変気になる。ガマ、なんかびっくりしてる。社に無数に千社札、久々の武生始め顔なじみも多し。何度も断るが、「千社札を通して」ということで当然皆様と直接面識あるワケじゃござぁせん。
 しかし、正面は金貸し由来の会社が建てたビル、裏に都立高校、少し彼方にここにあること何度見ても違和感の拭えないマルイのビル。エライ場所になりました。だからこそ、私にとってここは今でも憩いの場。この場所を侵そうとする不届共が現れたとき、ガマくんもビックリしてばっかりじゃなくお狐さんと協力してその不届者を追い払ってくれ。それにしても、やはり鳥居前のバリケードはいただけない。