その五十九 長野市松代町西条 『竹山随御稲荷神社』

sans-tetes2008-05-16

 松代を訪問して、松代城方面から武家屋敷の門塀が残る市街地を過ぎて象山地下壕に向かう。途中佐久間象山を奉った象山神社に行き合うが素通り。残念ながら、性格悪くて殺された学者の奉られた神社にあまり御利益はなさそうだし。
 市街地にも流れる堀様の水路を辿りながら、普通の小川に変わる頃、右手に象山迫る。もうすぐ地下壕というところで、小川に掛けられた橋を挟んで二つの鳥居。鳥居の方向を見てみると段々といくつも続くおなじみお稲荷様の赤鳥居。更にその先、斜面に沿って段々の先に清水の舞台、とまではいかないまでも崖から突き出て床下を覗かせる異様な社。あ、行かなきゃ。
 人ん家の合間を縫って鳥居の林立する参道。急な階段。辿り着いたお社、この「舞台」から松代の街を一望、この建物そのまま本社だった。真田家家臣の勧進に由来する由緒を持つとのことだが、何故わざわざこの形にしたのかよくわからない。
 地元の人にはありきたりな神社なのか、観光客にとっては観るべきものと認識できないのか、境内他に人っ子一人訪れる様子はなく、お陰様で舞台と眺望を独占。初夏の風の心地よく、人気の無さとは対照的に境内にびっしり貼られた木の奉納札が風に応じてカラカラ鳴る。御神体は舞台を通じて東を向くが、以外に社の奥行き深く、格子戸の向こうは暗くて望めず。格子戸には願いを込める絵馬と千羽鶴の数々、更多くの寄進を記念する奉納札、松代・屋代・戸倉、旧埴科郡各地よりの参拝、実は密かに有名な社なのであろうか。まあ、人間何故か眺望の良いところが好き。それにしても珍しい形した稲荷社だ。舞台に流れる風が本当に気持ち良くて、ぼーっとしているのが楽しい。
 神社には「奥の社、狐の穴」なる摂社の案内。お狐が守る参道、更に斜面を登って行くと、藪の中に小さな社。ところが藪の中蜂がわんさか飛び回っていて社に近づくこと出来ず。なんか、社に蜂が巣を作り、占拠。狐の穴が蜂に占拠されてどうする!参拝減ってお狐さんの霊力衰えたものと見えて、これは頑張れとしか言えない。
 何度も言うように、人間眺めの良いところが好き。上から下界を眺めるってのは、やっぱバカの証なんでしょう。別にコンクリ塔の最上階に住居構えようとは思わないけど、近くにこんな神社があればたぶん毎日でも行くかも。へえへえ、バカでよござんす。