その六十三 所沢市下富 『八雲神社』

sans-tetes2008-06-10

 狭山丘陵の周辺部だけあって、所沢市の北側には茶畑の多く、特に目的無くなんの気なしに曲がった道の両脇に一面の茶畑。車高の高いバイクの効用もあって、そんなに広くもあろうはずがない茶畑一面がやたら広々とした景色に見え気持ちよい。貴重なガソリン燃やした排気ガスばらまきながら走っているのが申し訳ない。
 実際には広くない茶畑、当然の如くすぐに途切れて、道を覆う林を抜けると、お互いやたら寄り添って並んで建った社が二つ、道に背中を向けて、道側には小さな馬頭観音の石仏、傍らに大木の傘。その様子がまるでペット(石仏)連れて公園のベンチに坐るカップルみたいだったので、面白くて道を引き返してお参りする。
 鳥居はなし。「八雲」の名、境内の石仏、嘗ては『牛頭天王』として奉られていた名残とも思える。祭神を代えた際、このように狭い境内に区切り直したせいで、かように仲の良さげな一類に見える。境内は工事現場でよく使われる「立入禁止」の黄色い仕切り(?)で阻まれていたが、無視して入る。境内とはすぐに間近にまで接した人ん家の庇。もしかして人ん家のちょっと立派なマイ神社だったのかもしてない。他意はないのでお参り。社同士、触れるばかりに接する互いの屋根の上に一面に若葉を広げた木の枝が覆い、お日様の光が地面に届かず、湿った地面。お陰でコンクリ造りの社の土台に自分の足跡が付く。足跡付いた社の階段があんまりスマートじゃないなぁ。いたたまれないので早々に退散。