その七十八 港区六本木六丁目 『朝日神社』

sans-tetes2008-09-26

 神社界の格差・・・。
 外苑東通りを北側から六本木の交差点に入る。高速の下を潜ってそのまま道に沿わずほんのちょっと西側に進路を取ると一通の小さな通り、坂の名前の記した標柱が建っているが坂の名前は忘れた。道の脇には放置自転車・バイク、配達途中のトラックが必ずといってよいほど停められており、こちらがバイクだからいいようなモノの、もしも通るのが以前ここらで見かけたフロントいっぱいに鼠先輩をプリントしている痛外車だったりしたらどーするんだということには関係ないので触れない。
 と、道はまだ坂の途中、進行方向向かって右側、路駐の車の向こうに鳥居、その傍らに神社名を書いた石碑。というわけでバイクはしばし路駐の仲間入り。
 参道は舗装、周りはビル。参道の左側の社務所もビル。参道右側に鎮守の森の名残と見たい植木がぎりぎりまで迫り結構な圧迫感。ビルの間を掻き分け掻き分けその向こうにコンクリ造りのガラス張りの社殿が出迎えてくれる。その手前には手水舎完備で禊ぎも怠らず、神社としては最低限しっかりとした構えで、お賽銭受けはも石造り。そのお賽銭受けには社紋らしきプレート。丸内に稲と鎌の意匠を見て豊穣を思い浮かべずマルクスレーニンを想像してしまう私、実家では今でも朝日新聞を取っている。後でWEBサイトを見てみると元々は稲荷神のお社、現在は何故か祭神に稲荷神は外されているがその他豊穣を司る神々も祭られ、社紋はそのままに御利益を表す。
 WEBサイトがあることからも、実はこの神社なかなかご繁盛の様子。イヤでも人通りの絶えることない通りを一本隔てるというのがまたミソなのだろう。サイト内にはこの狭いお社の中で四季の祭事に勤しむ様子が窺える。私が訪れた当日は時期柄どの祭事とも無縁の平日で、時刻も間もなく日も暮れようという時、さすがに他に参拝者は見当たらず、他に人といえば、えらくラフな格好でお勤めしていた宮司さんと、境内にあるマンションから旅行の荷物をバタバタと鳥居前に駐車中の車に乗せる住人のみ。実は、1階が社務所のビル、2階より上が集合住宅になってる様子。場所を抜け目なく生かしたナイスな神社生き残り策に素直に感心。私も弁天さんとか菅公さんとか稲荷さんとか大國主さんとかの店子になって毎月家賃の領収書にその御名を戴いたり外出の度に鳥居をくぐりたいモノだが、まあこの地域に住むことは間違っても無理だろう。
 WEBサイトを見るまでは、ここの神社この賃貸料のみで悠々の生業が出来ているのかと思いきや、上記の如く多くの祭事絶えず行われている様子。日本国がある限りこれからも安泰ですな。400年前にこの地に初めて社を営んだ朝日姫様に感謝ですな。朝日姫の由来を知るまで私は神社周囲のビルの窓から太陽光が反射してどんな季節でも朝日を見逃すことがないから朝日神社なんだと思ってた。