今週の『へうげもの』

 「それがあなたなのです お忘れなきよう」の利休のセリフに泣く。
 テレビ・映画等映像系も含めて、千利休切腹そのものを描いた作品にお目にかかったことはなく、それだけで注目。たぶんこの作品のカラーとしては、「壁に阻まれ、腹を切れない利休に悶絶する織部」こそ魅せ場なのだと解ってはいるのだけど、やはり、利休の首を持った織部を境界として、「未だ雷雨の止まない空」と「雨が止み雲の切れ目に晴れ間の見える空」、そして平伏す軍勢、「出世と物、二つの欲で〜」のテーマを保ったままここまで劇的に用意された「茶道頭筆頭の交代」の瞬間に戦慄さえ覚える。やはりこのマンガはオモシロイ。
 で、気になるのは、やはりこれから始まる「織部好み」のその先。古織時代の幕引き。小堀遠州は登場済み、この時点ですでに次の幕引きの準備は整われていると言えるが、まさか同じ幕引きとはしないよね? ホント楽しみ! 古織に用意されるのはいかに「へうげ」た死(しかないと思うけど)か。