『ニューズレター・チャイナ』

 大規模に発生したチベット暴動から先日で一年経つそうな。「そうな」と言う時点で、この出来事とその後世界中で起こったイベント的中国叩き、鑑みると「何だったの?」との感想しか出てこないのが正直な感想である。その延長上にあるあの長野での出来事でさえ。
 この一連の出来事を通して日本人は初めて「中国という国が『自国の勢力圏』と考える場所でどのような行為を行っているか」を体現した。その結果、「売国奴」以外に形容のしようのないメディア・エセ左翼・自称リベラル政治家、更に連立与党に影響力を及ぼす某カルト集団がいくら諸手を挙げて讃えようが「中国」という国への嫌悪感はぬぐい去れない程決定的になった。にもかかわらず、あの騒動が何だったのか? 騒動が沈静化した現在、総括して言えることは「ただのブーム」としか言いようのないこと、否定できない。
 一方、対する「中国」という国も一連の騒動を通じて新たな事実を学んだはずである。以前と異なり表立った煽動・批判を避け、逼塞するように見える現在の姿は、間違いなく一連の騒動の成果によるモノだろう。一方で、この経験に学んだ彼の国が今後より狡猾かつ効果的な方法を持って更なる「侵略」の機会を狙っているように見え、その「学ぶ機会」を与えたという事実は明らかに一連の騒動が失敗に終わったことの証左とも言える。
 表面上表立った戦術が沈静化しているように見える時、次の一手を効果的に打つため相手の動きを見極めそれに先じることは孫子が述べるまでもなく当然とも言える戦略・戦術における常道である。ところが、その戦術の先端を担う外務省の為体たるや、名にも鈴木宗男佐藤優の言を得なくとも「青年海外協力隊」として各国に派遣された経験のある諸人の言により明らかである。
 では、その大切な情報を担うのは誰の仕事か? 国家が当てにならない以上、それを担えるのはマスコミしかない、と普通ならそう思う。ところが日本語では「大手マスメディア」と言う言葉が「ウソつき」と同義となっていることは今やWEBを見ることのできる環境にある全ての人々が知っている事実である。日本国に、ことこの問題に限ってまともに情報を得る手段は無いに等しい。
 今月から配信が始まった『ニューズレター・チャイナ』はネットを媒介として情報を得るメディアである。内容はそのまま、大手メディアが伝えない中国の内幕、ジャーナリスト青木直人氏の取材の成果である。「我々が知らない」情報を伝える青木氏の著作や講演ははっきり言って面白い。私自身は、青木氏の話が事実なのか検証する術を持たないので、正直、その噺の全てを鵜呑みにすることは出来ないが、実際以前書かれた著作で述べられた話が実際にその通りに起こること確認が出来る事多々なので、その情報の信憑性は高いと思う。その説得力から、知らず知らずのうちにその説に煽動させられている自分を感じるのは正直面白いと思う。「大手マスメディアが伝えない」興味ある情報を得られるという知的好奇心を十分刺激してくれて、その上「別の意味でも面白い」、これ即ち「購読を妨げる理由がない」と言う。一年通しの購読料が30000円、購読案内のページに書いてあるように「高いか安いか」。ちなみに私は「アサヒに月3000円払うよりずっと有効」と思ったがどうか。

 購読は自己責任で→『ニューズレター・チャイナ』 http://aoki.trycomp.com/NL/