『旅 「第1部 東方へ〜19世紀写真術の旅〜」』於東京都写真美術館

 最初の方に、登場したての「カメラ」によって撮影された風景が延々登場したけど、お目当ては19世紀末の日本の様子を彩色付きの写真で紹介した『JAPAN』のオリジナルまんまの大判だったのでそこまでスルー。途中インドとか中国とかもあってあんまよく憶えてないけど、「広東の薬市通り(?)」とか、清朝当時の裏道然とした表通りとか面白いです。
 お目当ては鎌倉大仏。彩色されているせいもあるが、今よりずっと摩耗・解れ・亀裂の少ないお肌、大仏さんはずっとキレイ。更に驚きは、参拝客が3〜4人大仏さんの膝とか掌とか懐とかに立ってポーズ付けてる。大仏さんに登るも昔は自由! 僕も大仏さんの懐でポーズとって写りたい。今だったらすぐ出たところの武器屋でこの撮影のためだけに武器を購入してやったモノを。
 彩色写真と言えば、「日本の風俗シリーズ(?)」はその本当にわざとなんだけどその仰々しいわざとらしさがいつ見てもウケる。今こんな奴らいねぇから、現代人が見ても当時の外人が奇異の目でコメ喰いムシを見るのと似たような感覚で見ることが出来るかもしれない。「切腹」ありゃねぇけどさ。「漫才師」あれって俄でしょ? もはや桂米朝師くらいしかわかりませんね。働く男はみんなガニマタ。作業しやすそうだけど走りにくそう・・・。ガニマタ並んだ俥屋はちょっとヤバイ。彩色が半分つぶれた着物の柄が悪夢みたいだ。ところで、「王子」の茶屋の絵、今でも似たような景色があったような・・・北区オソロシ。どーでもいいけどうんこ座りの釣り人が景色にハマリ過ぎるぞ。
 海外への玄関口と言うことで長崎の写真も多し。ドックも山を覆う家々もない長崎はこんななんだ。
 と言うワケで、昔の(日本の)写真は本当に楽しい。