岩内町 三浦屋旅館

 今回の旅でお世話になりましたお宿の中で一押し。再度近くに来たら絶対利用するので、もしも近くにお寄りの方があれば是非にともご利用頂きたいので紹介。

 国道229号線を寿都蘭越町から岩内市街方面へ。市街のずっと西、町境である刀掛トンネルを過ぎて二つ目の山側に上る道路。岩内市街方面から来ると「朝日温泉」と「三浦屋旅館」の看板が入る道を示しているのでわかります。私が来た蘭越方面からだと看板の裏っ側になるので表示は見えません。看板を照らす照明も、周囲には街路灯さえ無いため夜は看板と道の存在が殆どわかりませんので初めてお越し際は明るい内に。ちなみに旅館へ上がる道が分岐するところよりもう少し蘭越より、トンネル出てすぐのところにもう一つ山の方へ上る道があり、そこは別の宿「観光ホテルかとう」へ続く道で同じように看板は岩内側を向いていて灯火もなく、見かけ立派なホテルにも関わらず夜間はライトアップもしないのでこちらも良くわからず。私は両方行き過ぎてUターンした。この脇道のある間はトンネルと覆道に挟まれていて市街地も遠いのでエライ勢いで車が走っていくのでUターンの際は要注意を。
 さて、なるべく日の暮れない内に宿に着くようにと言うのは何も入る脇道がわかりにくいからだけではない。国道を過ぎてすぐに道は急坂&砂利ダートの上に途中2カ所ほど分かれ道があるためで、途中方向表示の看板はあるのだが当然の如く街灯の類など無いので暗闇の中ではあって無きの如き表示。ダートと言ってもキツいのはバイクの場合で四輪の場合ではそんなでもないが、分かれ道にはまるとUターンが出来ずバックで戻らなければいけないので少しキツいかも。私は道を思いっきり間違えた上道路の轍と一部舗装とダートの境にタイヤを取られコケそうになった。正直、無理しないで舗装路のみを選び続けた今回の旅で一番、何所よりも過酷だった道がこの道路。オンロードバイクは昼間でも要注意を。オフロードなら丁度良いくらい。

 難関を過ぎると見えてきます、旅館の玄関。玄関のガラス戸両扉にそれぞれ縦書きで「〜旅館」と書かれているのは昔からの日本の伝統的宿泊所の証し。実際このお宿、創業50年、現在は2代目を継いでいる御夫婦お二人によって切り盛りされてます。宿泊日、予定時間を思いっきり過ぎて真っ暗になった旅館の前でやはり溝にはまって動けなくなり苦労してエンジン鬼蒸かししてたらその間にご主人出てくる。

 何とかバイクを止めることが出来て、宿のシステムの説明を聞く。食事は朝8時、風呂は24時間入浴可。予定より1時間以上を過ぎてのチェックインにお互い本日の予定をささっと消化したい目的は一致しているので、既に用意してあった食事にありつく。

 夕食、ご飯に味噌汁、魚とイカの刺身・焼き魚・茹でたカニ・漬け物・山菜やお野菜の煮物その他、それにプラスして鍋が付く。ご飯三杯食べたがおかずが大量すぎて美味しかったのに食べきれなかったのが泣くほど悔しかった。

 トイレ・洗面所は共同。お部屋の造りは下宿屋みたいな印象でしょうか。リフォーム済みで清潔。各部屋薄型テレビ完備。衛星放送受信可。アメニティグッズは無く浴衣とタオルの貸し出しだけです。

 お風呂。脱衣場は男女別ですが、中は浴槽の半分ぐらいが繋がっています。ここら辺は雷電温泉はお隣でここら辺は朝日温泉になるのでしょうか? 風呂のお湯は熱めです。
 も一つ入り口が別になってる露天風呂。山の中腹高台にある宿の立地を生かして眼下の日本海が一望できます。晴れた日には積丹の先の方が一望。その付け根には泊原発。日没間際には日本海に沈む見事な西日。夜は沖の漁り火、陸沿いに所々岩内・共和・泊・神恵内市街地の光が所々に。ここでも泊原発の光が目立ちます。眺望に関しては言うこと無しの露天風呂ですが、お風呂自体が目の前の駐車場から丸見え状態なので時間には多少の注意を。

 お部屋からの眺めもこれとほぼ一緒。この日は沖のイカ釣り漁船の灯が見えました。お空を見るとまだ見える天の川。頬に当たる風は肌寒く完全に秋の風なのにお空にはまだ天の川、不思議な感覚です。

 雨降ってきたのでよく見えませんが、朝、部屋からの眺め。

 朝食も大量に食べさせていただきました。宿内に洗濯機も置いてますので、観光の拠点に居続けしても都合良さそうです。
 食事・温泉・景色と来てこの宿の4つ目の柱、それは

 ネコです。朝からてんてこ舞いの宿のご主人夫婦を後目にお二人のお部屋で寝ています。おかみさんは「忙しくて仕方のない時ものんきに寝ていて役に立たない」と嘆いておられました。仔猫の頃に宿の前に捨てられていたのを拾ってここまで大きくなったそうです。その後大きくなったある日、コイツはどこからかまた別のネコをもう一匹連れてきて以来そのネコも宿周辺に居着くようになったそうです。後から来たネコは結構大きくなっていたので宿の中に入れない、半野良状態で世話しているそうですがやはり朝から駐車場の辺りでフラフラしたり寝っ転がっているのを見かけましたが雨が降ってきたのであわててどこかへ逃げてしまいました。しかしこのネコの存在、私的にお宿のポイントを上げています。

 ネコの傍らで少しおかみさんとお話しする機会がありました。ご夫婦が代を継いで20年、ご主人は元々札幌でサラリーマンをしていたとのこと、やはり今は大変だそうで、国内の小さな宿なら必ず聞けるこの言葉はここでもやはり普遍の言葉でした。時々「跡を継ぎたい」と申し出る人もいるとのことですが、なかなか、とのこと。

 いろんな意味で私的に大変お気に入りましたので、この次近くに来たらまた是非にとは思う。食事時にお隣のテーブルで食べていた人は東京から来たとのことなので結構知る人ぞ知るお宿なのではあるのでしょう。繰り返すようですがこの次近くに来たときも是非にともお世話になりたいのでそれまでお宿が繁盛するようにこの駄文を徒然読んでるおヒマなあなた、お近くお通りの際はどうです? 興味を持った方は下記のリンクから
http://www.iwanai-kanko.org/tomaru1.shtml
http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/onsendata/1998.php
 知る人ぞ知るゆるキャラ岩内町のたら丸くんが案内する岩内観光協会のwebサイトから。連絡先は下の方です。

 (おおよその場所)

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