その百四十四 さいたま市大宮区吉敷町 『庚申神社』


 吉敷の中山道から高鼻の神社境内までの長大な氷川参道をグーグルマップで見ていると吉敷の一の鳥居から参道の全体三分の一を過ぎた辺りの脇道に「庚申神社」と添え書きされて神社の地図記号が描かれている。場所柄この辺りは良く通るのにそんな神社など見た事無い。興味を持って行ってみると確かにあった。人が二人分くらい入る事のできる大きさのお堂に「庚申神社」と手作り感強めの額が掲げられている。いずれにせよ自身で「庚申神社」と名乗っているのだから間違いなく神社に違いない。
 「神社」の中を覗くとすぐ目の前に現れるご神体は当然庚申様。なかなか厳めしい表情で睨みを利かせ邪鬼踏みつけております。少し開き気味に、衣の裾で足がほとんど隠れているためとても短く見える足が何となく可愛くもあり、その可愛い足の下に踏まれることを甘んじて受けている邪鬼はとても不機嫌そうに耐えています。その代わりかと言ってはなんでしょうが、邪鬼のお尻がきっちり割れていて滑稽さに磨きをかけます。同じ割れるなら悪人らしくアゴでも割ってればいいモノを、ぶよぶよの脂肪たるみっぽい体型と云いこの情けない不機嫌振りにちょっと親しみを覚えてしまいます。その下の三猿、真ん中の「聞か猿」がまるで頬に手を当てて嘲笑、右の「言わ猿」が口を手に当てて嘲笑、左の「見猿」がやはり目も当てられないほどに嘲笑して・・・ひどいダメ押し感で満載ですね。
 こんな「庚申神社」ですが、お堂脇には絵馬の奉納場が設けられ、反対側にはご近所様を中心とした氏子の寄進者名、そばに置かれた箒とちり取りとでいつもキレイに掃除されてなかなかの崇敬振り。ご近所様のウケはよいのですが困ったことにこのお社の目の前が私の大嫌いな政党議員の事務所があり、とても目障り。当然辺りはそいつとそいつの後見人のポスターでべたべた溢れているのですがあるとき何を思ったか某新宗教系の候補のポスターが何枚か進出したコトがあって、それが何故か貼られて数日以内には破かれる、また貼る、破かれるが続いて、故意か偶然かは知りませんが神前でなんとも醜い有様が繰り広げられているモノとこの場所を通る度に思わず嘆息せずにはいられません。人んトコの税金で泥棒国家に貢いでいながら「チベットの扱いはひどい」とか叫んでる輩は本当に生きる資格無いと門前でテバナの一つでもかんでやりたい気分ですが、神前故それすらできません。困ったモノです。