その二十二 さいたま市西区島根 『島根氷川神社』

sans-tetes2008-03-13

 またまたお氷川系列の神社。さすが武蔵国はお膝元、フランチャイズ率高し。
 さいたま市、旧大宮から旧浦和の西の縁をほぼなぞるように走る県道57号線。あまり市街地化されていない地域を通るモノの、大宮側の終点に県警の機動センターに行き当たるため、何げにパトカー率高く、油断して軽快にとばしているとエライ目に遭う。そうでなくてもこの道、富士見・志木・所沢・浦和・上福岡方面の主要な抜け道となっているので時間帯によっては結構な交通量。
 この『島根氷川神社』は件の県道沿い、大宮側と浦和側、ほぼ中間地点に正しく南面して鎮座する。正しくは県道より少し奥まった場所に鳥居が立つが、県道から鳥居まで、田んぼの中を畦のように走る素朴な参道があり、県道からそのまままっすぐ本殿まで向かうことが出来る。鳥居の前面は一面田んぼになっているため、少し離れた距離ではあるが県道から神社は眺望良く、田に水の張られた季節には水の上に浮かぶ島の様相を見せ、また違った景色になるやもしれない。
 訪れたのは夜分、境内さすがに人影はいない。恐らくは防犯のためであろう、本社の電気だけ「ぼわっ」とほんの僅かに境内を照らす。あとは闇、境内の様子、このままでは皆目検討つかず。このようなときのために用意した極小のマグライト、遂に出番が来たと思いきや、どうやら鞄に入れ忘れ。仕方がないので携帯電話の明かりを頼りに境内を散策。
 お氷川さんは何れも立派。まず境内が広い。広い境内にあちこち摂末社が点在。ただ、暗くて詳細わからず。足元おぼつかない中、境内の北西に「富士塚」らしき盛り土を発見。境内の北西に富士塚置くのに何か意味があるのかよく知らない。折角だから登る。が、登るためには小さな階段、おまけにこの暗さ、はっきり言ってむちゃくちゃ怖い。ああなるほど、富士塚といえども本当に富士を登るときのように容易に登れないように再現を・・・などと考える余裕など無く、途中の祠の神名は暗くて見えず、頂上の恐らくは木花咲耶姫をお祀りしているであろう祠の銘も読めず。後ろに仰け反りそうになる中、必死で堪えて何とかお参り。やはり、ブーツで富士山に登ってはイケナイ。
 ここの社伝に、大昔、宮中の釆女をかっさらってきた地元の豪族が、この境内で追っ手に追いつかれるも、神社の霊験により難を逃れたとの話があり。オオクニヌシに娘駆け落ちされてるのにもかかわらず、ここのスサノオの何とお心の広い。なるほど、ここの効用は「駆け落ち成就」。必要な方はどうぞお気軽のご利用を。ただし現在、神社の裏門鍵閉められて通れないので実際にご利用の際は御注意を。